6月13日の統一地方選挙は、ハンナラ党の圧勝で幕を下ろした。ソウル市、仁川市、京畿道の首都圏3首長をはじめ、釜山、大邱、蔚山、慶尚南道、慶尚北道といった嶺南5市・道でもハンナラ党の推薦候補が勝利した。
一方、民主党は光州、全羅南道、全羅北道、済州道の4人の当選にとどまり、自民連は忠清南道しか抑えることができなかった。年末に大統領選挙を控えて前哨戦ともいうべき今回の地方選挙においてハンナラ党が圧勝したことで、政局に大きな地殻変動が起きるのは必至だ。今後は▽民主党・盧武鉉・大統領候補の「再信任」問題▽自民連の再編▽ハンナラ党の政局運営――などをめぐって、政界の合従連衡が進む見通しだ。
ハンナラ党は選挙運動期間中、一貫して腐敗政権の審判と政権交代論を展開し、権力型不正腐敗に憤る民衆のこころをつかむのに成功した。
圧勝したハンナラ党の李会昌・大統領候補は、「これをきっかけに政界の大革新と国民統合の政治を展開する」と意気込みを語り、「圧勝という結果に重い責任を感じる」と自己を戒めた。今後もハンナラ党の政府および与党・民主党に対する攻勢は続く見通しだが、李会昌氏のイメージを損なわず、この勢いを大統領選に持ち込みたいというのがハンナラ党の思惑だ。
今回の選挙結果は、ハンナラ党の「圧勝」、民主党の「惨敗」というかたちで、はっきりと明暗が分かれた。民主党の惨敗は、市民の支持が民主党から完全に離れたことを意味する。金大中大統領の息子による一連の不正疑惑が、市民のこころを民主党から離反させた。民主党の支持基盤は地域的には湖南地方、政治理念的には在野を含めた改革派で、特に中流以下の庶民や労組が支持してきたが、今回の選挙ではソウル市、仁川市、京畿道などでハンナラ党に敗れ、支持基盤が完全に崩壊したことを裏付ける。ソウル市内の貧民地区(タルトンネ)といわれる区選でも民主党は議席を大幅に失った。
16市・道長当選者
◇ソウル市・李明博 慶北・浦項出身。62歳。高麗大卒。元現代建設社長。14・15代国会議員
◇釜山市・安相英 釜山出身。65歳。ソウル大土木科卒。海雲港湾庁長。釜山市長。
◇大邱市・チョー海寧 慶北・慶山出身。60歳。ソウル大卒。ハンナラ党国策諮問委員
◇仁川市・安相洙 忠南・泰安出身。57歳。ソウル大経営学部卒。15代国会議員。ハンナラ党仁川地区委員長
◇光州市・朴光泰 全南・莞島出身。60歳。朝鮮大卒。14・15・16代国会議員
◇大田市・廉ホンギル 忠南・論山出身。59歳。慶煕大卒。大田市長
◇蔚山市・朴孟雨 慶南・蔚山出身。53歳。慶南大大学院卒。
◇慶畿道・孫鶴圭 京畿・始興出身。56歳。ソウル大政治学部卒。14・15・16代国会議員
◇江原道・金ジンソン 江原・東海出身。57歳。東国大行政学部卒。江原道知事
◇忠清北道・李元鍾 忠北・堤川出身。61歳。漢陽大行政学部卒。ソウル市長。忠北知事
◇忠清南道・沈大平 忠南・公州出身。62歳。ソウル大経済学部卒。自民連副総裁
◇全羅北道・姜賢旭 全北・群山出身。65歳。ソウル大政治外交学部卒。15・16代国会議員
◇全羅南道・朴泰栄 全南・長城出身。62歳。ソウル大商学部卒。産業資源部長官
◇慶尚北道・李義根 慶北・滑道出身。65歳。嶺南大卒。慶北道知事
◇慶尚南道・金ヒョッギュ 慶南・陜川出身。64歳。釜山大行政学部卒。慶南道知事
◇済州道・禹瑾敏 済州・北済州出身。61歳。ソウル大大学院卒。済州道知事