韓国銀行が発表した「第1四半期の企業経営分析」によると、景気の本格的な回復を反映し、国内製造業の業績が大幅好転、売上高経常利益率(売上高に占める経常利益の割合)は過去最高の8%を記録した。これに伴い、財務構造も改善したが、輸出が不振で全般的に成長は鈍化した。
韓国銀行が上場企業およびコスダック(店頭登録)企業1084社を対象に今年第1四半期の製造業の業績を分析した結果、売上高経常利益率は前年同期(3・7%)の約2倍の8%に達し、過去最高の73年の7・5%を更新した。企業は1000ウオンの売り上げで80ウオンの利益を出した計算になる。
売上高に対する営業利益率は前年同期の8・8%から今年は9・2%と小幅の伸びにとどまったのに対し、経常利益率が大幅に伸びたのは、為替の変動(1ドル=昨年末1313・5ウオン、3月末1325・90ウオン)が少なく、低金利で金融コスト負担が減ったため。
昨年第1四半期は、為替差損が1・4%(売上高100ウオンに対し1・4ウオンの損失)だったが、今年は0%で為替リスクがなかった。また金融コストの軽減で営業外収支(金融コスト負担などを含む営業外収入と支出の差)は昨年第1四半期に比べて3・9%改善し、経常利益率が高まった。
営業利益で借入金利子など金融コストを支払う能力を見る利子補償比率は245・5%で昨年第1四半期の191・9%に比べ大きく好転した。また、利子補償比率が100%未満で利子が払えない企業は29・5%で、昨年第1四半期の35・8%から大幅下がった。
また企業は、株式の発行で自己資本を増やし、会社債を償還したため、負債比率が前年同期の184・9%から174・4%に10・5ポイントも低下した。しかし、売上高増加率は1・1%で、昨年第1四半期(4・0%)に比べ不振だった。昨年の平均(1・66%)よりも低く、成長が鈍化傾向にある。