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2002/04/12

<総合>大宇自動車 GMへの売却に最終合意

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    早ければ来月にも新会社「GM・大宇」(仮称)を設立する(大宇自動車のショールーム)

 3年余り続いていた大宇自動車の売却交渉がようやく妥結した。米ゼネラル・モーターズ(GM)と大宇の債権銀行である産業銀行の鄭健溶総裁は10日、大宇自動車を12億ドルでGMに売却することで最終合意し、今月中旬にも正式売買契約を締結すると発表した。ネックとなっていたGMと大宇自労組の団体協約改正問題が合意を見たことで急進展した。今回の合意で、長い間韓国経済の足かせとなってきた大宇グループの処理問題が決着し、韓国経済の対外信用度アップにつながるなど、大きなプラス効果をもたらすと財界は歓迎している。

 鄭総裁が明らかにした合意内容によると、GMと債権銀行団はそれぞれ4億ドル(67%)と1億9700万ドル(33%)を現金で出資し、5月1日にも新設法人「GM・大宇自動車」(仮称)を設立する。GM・大宇は、群山、昌原工場などの大宇自動車の資産(12億ドル相当)と負債(8億ドル)をすべて引き受け、その代償としてGM・大宇は12億ドル相当の優先株を新たに発行、これを債権銀行団に提供する。

 これに対して、債権銀行団は、GM・大宇自に運営資金として7億5000万ドルを年利6%の条件で提供し、さらに追加の資金需要に備えて12億5000万ドルまで融資に応じることを了承した。

 一方、鄭総裁は、「昨年、MOU(了解覚書)を締結する際に買収対象に含まれていた24の海外法人のうち、14法人は対象から外した」と明らかにした。除外された海外法人のなかには米販売法人も含まれている。GMは、大宇車をGM系列のシボレーのディーラー網で「シボレー」ブランドで販売する計画だ。

 大宇自動車販売も買収対象から除外されたが、GM・大宇と代理店契約を結び、引き続き大宇車の販売代行を続ける意向だ。またGMが買収を拒否していた富平工場も最終的な話し合いでGMが買収することになった。

 さらに債権団は、GMとの交渉で、群山および昌原工場と大宇自動車本社の雇用を維持し、従業員を原則的に引き継ぐことでも合意した。

 一方、大宇自動車の倒産でこの2年間、経営難に苦しんできた下請け部品メーカーは、今回の売却合意で、再び供給の道が開けると歓迎している。万都などの大手部品メーカーは、大宇がGMの傘下に入ったことで、GMの海外工場にも納品できると期待を膨らませている。