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2002/03/01

<総合>韓国経済の強い復元力

 金大中政権発足から4年がたち、IMF危機を克服、金融・企業・労働・公共の4部門の構造改革に取り組み、なお多くの課題はあるものの経済的には堅調な歩みを続けている。産業生産も1月は久しぶりに2桁の伸びを示し、貿易収支は減ったといえども昨年93億㌦の黒字を維持している。苦戦を続けている輸出が回復すれば今年は5%成長も夢でない。世界的な格付け機関ムーディーズは韓国に対して評価を格上げする予定であり、株価は今年最高値の820を突破した。産業的にも半導体生産で世界トップの座にあり、自動車生産では世界5位(昨年)をキープするなど、韓国経済の実力を世界に示している。

 統計庁が27日発表した1月の産業生産動向によれば、産業生産は前年同月比10・2%増加した。1年3カ月ぶりの二桁増加だ。工場稼働率も76・4%の高水準となった。萎縮していた設備投資も6%増加するなど投資マインドも回復し出した。国際市況の好転により半導体価格が回復しており、サムスン電子では第1四半期(1―3月)で1兆ウオン以上の純益を見込むほどだ。

 米テロ事件の余波もあり、輸出はなお苦戦しているが、貿易収支は引き続き黒字を記録している。産業資源部によると、昨年の輸出は1504億㌦、輸入は1410億㌦で、93億㌦の貿易黒字を計上した。黒字幅はこの数年減っているが、IMF以前は慢性的な貿易赤字国だった。黒字基調に転換、なお100億㌦近い黒字を記録したことは、世界的にみれば過小評価できない。

 産業的にも半導体、自動車、鉄鋼、石油化学、情報通信など重要産業で国際競争力を維持しており、例えば自動車生産では昨年294万台を記録、米国、日本、ドイツ、フランスに次いで世界5位をキープしている。自動車生産で韓国が世界5位につけたのは95年だったが、IMF危機で8位に転落した。しかし、99年に7位、2000年に5位につけるなど急速に回復できたのも底力があることを物語る。

 IMF危機の際、株価は一時300台割れした。この株価の回復力も急速で今年に入って総合株価指数は800台まで回復、2月27日には1年5カ月ぶりに最高値の822を記録した。産業生産が活気づいていることなどを好感した結果と見られている。こうした中、格付け機関のムーディーズは韓国に対して評価を格上げする予定だ。背景に金融改革など構造調整の進展などがある。

 創意力、チャレンジ精神という点でも、ベンチャー企業の台頭にみるようにめざましい。最近では大企業の社長を辞めベンチャーに転進した財閥グループの㈱SK社長・劉承烈氏(52)の例が話題になっている。

 ともかく、世界の中でみると、このように韓国経済の実力はかなりの水準にあり、今後さらに磨きをかければ最先進的な経済をつくりあげることは夢でなく、多くの途上国に模範的なモデルになろう。