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2002/02/01

<総合>内閣と青瓦台 経済運営ツートップ体制に

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    朴智元政策特補㊧、田允喆秘書室長㊥、丁世鉉統一部長官

 青瓦台(大統領府)のほぼ全面的な交代を含む大幅な内閣改造が実施された。青瓦台まで巻き込んだロビー疑惑が相次ぎ発生、局面打開を狙ったものだが、「人心一新にはほど遠く、側近政治をますます固めている」と野党やマスコミは批判的だ。そうした中で、経済チームは陳稔・副総理兼財政経済部長官をはじめ主要閣僚が留任、さらに青瓦台人事で大統領秘書室長に経済官僚を30余年間勤め上げた田ユンチョル氏(写真・中央)が就任、経済布陣が強化された。今後、ツートップ体制で山積している経済難題に取り組むことになったが、政権末の「選挙政局」にだけに経済運営に対する手腕が問われそうだ。

 9人の長官と長官級を交代した今回の内閣改造では、副総理兼教育部長官に3つの大学総長を経験した李相周氏、統一部長官に統一院(統一部の前身)生え抜きの統一問題専門家である丁世鉉氏(写真・左)が任命された。経済閣僚は科学技術、産業資源、福祉労働の3長官と予算処長官が入れ替わった。

 また今回は青瓦台の大統領首席秘書官をはじめ秘書官も大幅に入れ替え、新メンバーは計8人にもなった。首席秘書官は8人中6人が交代した。特に注目すべきは大統領室長に経済専門家の田ユンチョル氏が就いたことと、新たに新設された政策担当特別秘書官に朴智元氏(写真・右)が任命されたことだ。

 田氏の場合は経済重視の側面から理解できるが、朴氏は金大中大統領の最側近の実力者であり、経済は田氏に専担させ朴氏中心に青瓦台が運営される可能性が高い。だが、朴氏は過去にスキャンダル絡みで文化観光部長官を辞任した経歴もあり再起用には批判的な声が強い。また、大統領側近の林東源外交安保担当秘書官を留任させるなど側近政治が本格化すると韓国マスコミは分析している。

 また、対北交渉で所信ある態度を堅持しているとの評価がある洪淳瑛統一部長官や、外部圧力に屈しないという評判の崔慶元法務部長官を交代させたことに対しても納得がいかないという批判がある。

 全般的に今回の改革に対して韓国マスコミは相当に辛い点数をつけており、「不正と腐敗で国家がかつてなく困難な状況を迎えている時期だけに斬新な人ができるだけ多く入閣し、難局克服の先頭に立つことを期待した。だが改革内容をみれば失望の限りだ」(東亜日報社説)と指摘している。

 一方、経済に関しては今回の改革で内閣と青瓦台がより緊密に運営するだろうとの期待がある。回復気味の経済を本軌道に乗せる政策的手段が動員される可能性が指摘されている。

 経済チームが当面取り組むべき課題は多い。まず、外資との交渉失敗などで漂流している大宇自動車、ハイニックス半導体、現代投資信託、大韓生命、ソウル銀行など売却問題の早急な決着を図らなければならない。これ以上処理を遅らせると、海外金融市場で構造改革に対する不信を生む恐れがある。

 急激な円安の影響にも効果的に対処しなければならない。すでに一部業種で輸出競争力に打撃をうけていると報告されている。米国などとの通商摩擦、今年から始まるWTOのドーハラウンドにも対応が急がれる。さらに、公的資金を回収し銀行を民営化することも遅らせられない大きな課題だ。