第16代大統領選挙まで1年近くある中で、与野党は異例に早く事実上の大統領選挙体制に突入した。今年は韓日が共催するW杯の年だが、6月の地方自治選挙をはじめ12月の大統領選挙まで選挙の多い年でもある。与党・新千年民主党はすでに大統領候補と党代表を選出する全党大会を4月20日に開くことを決めており、これに刺激を受けた最大野党・ハンナラ党も全党大会開催時期や方法などをめぐって活発な駆け引きがはじまっている。
民主党では、大統領候補として7人の名前があがっている。前回の大統領選で敗れた李仁済をはじめ廬武鉉、鄭東泳、金槿泰、韓和甲、金重権、柳鍾根の各氏だ。各種世論調査結果では、李仁済氏が他を圧倒しており、廬武鉉氏が後を追う展開だ。
だが、民主党は今回の大統領候補選びで米国のような予備選挙を導入しており、3月初めの済州道を皮切りに全国16の市・道で実施されるだけに、初盤で5%以下の得票率しか挙げられない候補がレースから降り、反李仁済でまとまる可能性も排除できない。
この予備選は、政党の選挙に一般市民が参加する韓国で初の試みだ。選挙人団は合計7万人で、代議員1万4200人、一般党員2万800人、市民3万5000人となっている。市民は公募で選び、選ばれたら党員登録しなければならない。各地での電子投票で行われる投票結果は即日発表され、得票数の合計で候補者が決まる仕組みだ。
国内の政治学者たちは、「国民参加の予備選は政党を国民に近づける画期的な意味がある」と歓迎している。
だが、問題点がないわけでもない。ある候補は、「予備選を全部続ければ最低100億ウオンが必要だ」としており、カネのかかる選挙になる可能性は排除できない。これをどこまで抑えるかが大きな課題になるだろう。
一方、ハンナラ党でも全党大会代議員数を現在の7900人から6万人水準に大幅に増やすことを検討している。党関係者は「政治改革の核心である多数の参加を引き出すため増員は避けられない。もし、そうしなければ20代、30代の浮動層にそっぽを向かれかねない」と分析した。