来年の輸出は、韓国輸出史上初めて2000億㌦を突破し、2200億㌦に達する見通しだ。これは韓国貿易協会が最近発表した「2004年の貿易環境と輸出入展望」で明らかになった。輸出100億㌦を達成した1977年から27年で20倍を超す急伸長であり、輸出韓国経済の牽引車であることを改めて強く印象づけた。
貿易協会の展望によると、来年の輸出は米国、中国など主要貿易国の景気好調と半導体、携帯電話、自動車などの世界需要拡大で今年に続き2ケタの増加率を記録するだろうと見ている。だが、ウオン高の可能性、通商環境の悪化などで輸出増加の勢いは今年よりは弱まると予想している。ちなみに今年の輸出は前年比18%増の1920億㌦に達する見込み。
業種別には、重化学工業製品は15%の高い伸びが見込めるが、軽工業品は0・8%増にとどまると見ている。品目別にみると、産業用電子が24・3%、コンピューター27・0%増、無線通信機器23・2%、産業用機械23・2%、自動車部品38・4%などと高い伸びを予想している。半導体は、フラッシュメモリーなどの好調で今年水準の伸びを見込んでいる。
このような輸出好調で今年冷え込んだ内需を刺激し、輸入も16%台の高い伸びが見込まれる。これは輸出増加率を上回るもので、これにより貿易収支黒字は今年より27億㌦少ない140億㌦となる見通しだ。引き続き高水準の黒字であり、1500億㌦を突破した外貨保有高もさらに増加するのが確実だ。
一方、サムスン経済研究所は、「来年度IT(情報技術)産業展望」で、IT産業は来年に本格的な回復期に入るとの見通しのもと、特に半導体は生産が16・8%、輸出も18・5%増えるだろうと予測した。金額にして半導体輸出は4年ぶりに200億㌦を突破する。特にサムスン電子と東芝が主導しているフラッシュメモリーは、来年にほぼすべての小型情報通信機器に装着され、37%の生産増が期待される。また、さまざまに用途が広がっている携帯電話など情報通信輸出は今年より40億増え、はじめて300億㌦を突破すると予想。
ちなみに、今年期待以上の成果を上げた携帯電話、フラッシュメモリー、液晶などの分野のサムスン役職員は年俸の30-50%の賞与を受ける見通しだ。サムスン電子の半導体、ディスプレー部門は最大の稼ぎ頭だったが、内需沈滞で家電部門はふるわなかった。
半導体、情報通信以外に、輸出が急伸長しているのが自動車部品。昨年まで20億㌦台だったが、今年はすでに10月末現在で34億㌦を記録、年間では40億㌦に達する見通しだ。さらに、来年には60億㌦台に接近、主力輸出品として踊り出そうだ。最近の自動車部品輸出の急増は、現代自動車をはじめGM大宇やルノーサムスンなどの国内メーカーが海外工場への半製品のKD輸出を増やしているため。特に中国、インド向けが急増している。
このように新たな輸出主力商品も生まれており、韓国の輸出力はますます強化されそうだ。