ここから本文です

2003/09/26

<総合>韓国型超特急が時速300キロ突破

  • sogo_030926.jpg

    試運転で時速300㌔を突破した韓国型高速列車。韓国技術陣が総力を傾け7年がかりで実現した

 来年4月から高速鉄道時代を迎える韓国で、国内技術陣により開発された高速列車が試運転で時速300㌔を突破するのに成功した。これで韓国はドイツ、フランス、日本、イタリアに次いで世界5番目の高速鉄道技術保有国になった。独自技術で開発したこの高速列車は、2007年をメドに投入する計画だ。

 建設交通部と韓国鉄道技術研究院はこのほど、忠清北道五松鉄道基地から文谷までの50㌔区間で韓国型等速列車の試運転を行い、発車から6分で300㌔を突破した。11月にソウル-釜山間の412㌔全区間で総合試運転する。最高時速は350㌔まで出せるよう設計されており、これはドイツの330㌔、日本、イタリアの300㌔を抜き、フランスと並ぶ世界最高速度だ。

 韓国が高速列車の製作に取り組んだのは7年前の1996年。ソウル-釜山間を2時間で結ぶ高速鉄道時代に備え、この間に2100億ウオンの予算を投入、官・民129の機関から900人を超す研究者が参画した。

 韓国鉄道技術研究院では、「韓国型高速鉄道は自動車のエンジンに当たる推進装置と車台など核心部品を韓国の実情に合うように独自開発したもので、フランスやドイツの高速列車より優秀だ評価できる」と説明している。この韓国型高速列車の国産化比率は部品92%に達する。

 同院研究員は「現在7500㌔の試験走行を終え、今回の試運転で300㌔を出せたことから性能は確認された。世界的に高速列車の信頼度が認定される12万㌔程度の走行を終える2007年ごろに商用化が可能だ。」と明らかにした。この韓国型高速列車の推進装置は出力がドイツやフランス製の1200㌔ワットより高い1400㌔ワット級の高出力であり、より高速に適している。

 車体はアルミニウムを圧縮した圧縮材を使用し、アルミをそのまま使用した車両より軽量だ。デザインは、高速時に発生する空気抵抗や騒音を減らすためイルカ型にデザイン、流線型にした。

 これで韓国は、高速鉄道建設、運営技術に加え車両まで直接製作する世界5番目の国になった。

 京釜高速鉄道は来年4月に開通する予定だが、高速用専用軌道で走れるのはソウル-大邱間だけで、大邱-釜山間は専用軌道が完成する2010年までは既存軌道を使用する。全区間が専用軌道になればソウル-釜山間は1時間56分で結ばれる。また、光州、木浦に向かう湖南線にも高速列車を運行する計画だ。車両は当面はフランス製を投入する。