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2003/11/28

<総合>来年の国内生産 史上最大の331万台に

 韓国自動車工業協会は26日、「2004年の自動車産業展望」と題する報告書をまとめ、来年の韓国自動車業界の国内生産は史上最高の331万台を記録するだろうと予測した。これまでの最高は2001年の315万台だった。特に来年には輸出が引き続き堅調に伸び、極端な不振に陥っていた国内販売も回復するとみている。好調を続ける韓国自動車産業の現場を追った。

 ◆ 不振の内需も12%増期待

 来年の国内生産台数331台は今年に比べ8・4%増。輸出は同5・1%増の179万台(170億㌦)を予想している。生産台数とともに輸出台数も史上最大だ。このような自動車生産増大について、同報告書は世界経済の好転と国内消費の回復を挙げた。

 特に、不振の国内販売について、「国内景気が来年第2四半期(4-6月)以降、本格的に回復するのに加え、自動車金融環境の改善、石油価格の下どまり維持、新車出荷などにより、内需は今年比12・6%増の152万台が期待できる」と分析した。

 国内販売は97年末の通貨危機以降、持続的に回復していたが、今年は全般的な消費沈滞に陥り自動車販売もマイナスに転落した。推定135万台で、これは92年水準の規模だ。

 輸出は、ウオン高、イラク紛争などの不安要因はあるが、世界自動車市場の回復、韓国車の品質・ブランドイメージ向上、輸出車種の拡大、GM大宇の北米輸出本格化などにより好調を持続する見通しだ。これにより、今後当分の間は輸出が生産増大を牽引する構図が持続すると見ている。

 ◆現代自は世界500万台体制へ

 韓国車は10月に史上初めて月間30万台を突破するなど絶好調だ。現代・起亜をはじめGM大宇、双竜、ルノーサムスンとも輸出を大きく伸ばしており、これは海外市場で韓国車が価格以外に競争力をつけていることを実証するものだ。

 イメージアップ戦略にも力を入れ、各国でのモーターショーにも積極的に出品している。先の東京国際モーターショーでは革新的デザインの「ネオスⅡ」を世界初公開したのをはじめ、現代と起亜が新車8台を出品した。また、9月のフランクフルト国際モーターショーでは現代、起亜、GM大宇の3社が実に43台を出品、欧州市場開拓への意気込みを見せた。

 韓国自動車メーカーの中でトップを走る現代自動車は、系列の起亜自動車とともに2010年に世界トップ5をめざしており、その戦略として欧州市場での現地生産に本格的に取り組む構えだ。同社の高位関係者によると、東欧で15億㌦を投入して年間30万台規模の工場を建設、2007年からの生産を計画している。候補地はチェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランドの東欧4カ国で、雇用条件の柔軟性が高いチェコとスロバキアが最終選考に残った。来年2月に最終決定するが、「チェコが最有力だ」としている。

 現代自では、この東欧工場を含め、米国、中国、欧州を結ぶ国内外500万台グローバル生産体制を構築するとしている。

 ◆スーパーカーへの挑戦も

 規模の拡大だけでなく、新しい分野への挑戦も続いている。特に注目されるのはスーパーカー開発。

 韓瑞大はスウェーデンのSNTG社と共同で、スタートから5秒以内で時速100㌔を出せるスーパーカー開発に着手した。同社は昨年9月から1台12億ウオンの「コーニックセグ」を韓国で販売しているが、今回韓瑞大と共同でこのスーパーカー製作技術を伝授する「コーニックセグ技術学校」を設立することになった。来年9月から韓国だけでなく、日本や中国などアジアから学生を選抜して授業を開始する予定だ。

 世界自動車地図は、今後10年内に大きく塗り替えられると予想されている。韓国が世界トップグループとして生き残るための挑戦はこれからが本番だろう。