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2003/11/14

<総合>世界最大のディスプレー地帯に

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 ソウルから車で南へ1時間半、忠清南道の天安市と牙山市の間に大規模ディスプレーベルトが形成されている。薄型を競い合うテレビやパソコン、携帯電話に欠かせない液晶やプラズマをはじめとするディスプレー関連産業が続々誘致されており、今後、数年以内にはディスプレーで世界最大のメッカになりそうだ。

 先端電子団地を造成している忠清南道では、「来年4月には京釜高速鉄道が部分開通する。加えて新行政首都建ブームもあり、交通、物流、教育など都市基盤整備が急テンポで進んでいる。これに伴い、企業の投資も加速化しており、特にディスプレーベルトは韓国を代表する先端電子団地として浮上するだろう」と期待している。

 このディスプレーベルトの中心企業はサムスン電子。牙山市の湯井団地で先月末、今後10年間に20兆ウオンを投入する世界最大のTFT-LCD(薄膜トランジスタ駆動液晶表示装置)生産工場を着工した。2年後には第7世代の大型ディスプレーラインで生産を開始、この工場の売上だけで10兆ウオンを見込んでいる。2010年には売上40兆ウオンを超す壮大な計画だ。

 この湯井団地から車で20分ほど走ると、天安市の産業団地に到着する。サムスン電子はこの団地で10兆ウオンを投入してTFT-LCD生産工場を建設した。単一規模では世界最大級のこの工場では、6つのラインで各種液晶製品を生産している。従業員だけで1万1000人に達する。また、隣接するサムスンSDIの工場では、2兆ウオンを投資、2次電池とPDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)を生産している。従業員は2400人。

 このサムスン電子とサムスンSDIの2工場の敷地は合計49万5000平方㍍。両社は系列企業同士だが、大型テレビのディスプレー市場をめぐってし烈な競争を演じている。世界的にも液晶とPDPのどちらが未来のテレビを制するのかは大変な関心事だ。

 サムスンSDIでは、「生産ラインを100%稼働しても生産が追いつかない好況だ。ディスプレー市場の爆発的な成長で、この地は荒地からわずか数年で世界的なディスプレーバレーに変貌している」と説明。サムスン電子側も、「82年に事業を開始した半導体が10年で世界半導体の雄になったように、95年に事業に着手した液晶も湯井工場を筆頭に2年後には小型から大型に至るまで世界1になるだろう」と予測した。

 サムスン以外に天安外国人工業団地には世界的な機械メーカーであるABBなど43の外国系企業が入居しており、産業団地には未来産業や大宇エンジニアリングなどの国内企業が入居している。

 忠南道では、「ディスプレー、ゲーム、映像、電子情報産業と関連する企業を大挙誘致する一方、各種研究施設、教育施設の整えている」として、「まず湯井暖地にR&D(研究開発)科学特区を指定して、研究施設などを建設する計画だ」と明らかにした。

 西海岸に位置するこの地域は相対的に開発に立ち遅れていた。電子の水原や半導体の器興と並ぶディスプレーの天安―牙山ラインとして世界の注目を集めそうだ。

 サムスン電子に対抗して、世界一争いをしているLGフィリップスは、100億㌦を投入して京畿道坡州市の165万平方㍍の産業団地に大規模LCD団地を建設を来年に着工する計画だ。

 2006年下半期(7-12月)からの本格生産をめざしている。この工場ではサムスン電子と同様に7世代以上のディスプレーを生産、超大型か時代に備えることにしている。