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2003/08/15

<総合>現代自グループ 海外生産を本格化

 現代自動車グループが海外生産を本格的化している。世界自動車業界の生き残りを賭けた激しい競争に打ち勝つための世界戦略の一環だ。すでに現代自動車は米国などで現地生産に着手しているが、傘下の起亜自動車も中国に第2工場を建設するなど生産力増強するとともに、欧州でも生産工場の立地選定を急いでいる。現代自動車、起亜自動車がお互いの進出エリアを調整し合いながら、将来的に世界ビッグ5として自動車産業を牽引していく計画だ。

 起亜自動車は12日に企業説明会を開いて、意欲的な海外生産計画を発表した。同社はすでに、中国の江蘇省に東風汽車集団との合弁会社を設立、新型モデル「千里馬」などの生産を開始している。年産能力は5万台。計画では新たに第2工場を建設、中国内の生産能力を2006年までに6倍の年産30万台に増強しようというものだ。

 現在敷地選定作業を終え、来年下半期(7-12月)に着工する予定だ。立地は江蘇省の上海に近い場所になるという。中国市場は自動車の最有力市場として浮上しており、すでに世界有力メーカーの市場争奪へ向けた前哨戦が始まっている。起亜は、現地生産を拡大、中国人ユーザーに適合した車種の開発に力を入れたいとしている。第1工場の生産能力も来年には2倍の10万台に増強する計画だ。

 また、欧州工場建設計画では、チェコ、スロバキアなど東欧諸国の中で立地選定を進めており、来年下半期の着工をめざしている。欧州には現在GM(ゼネラルモーターズ)傘下に入った旧大宇自動車が東欧で現地生産をした経験はあるが、現代自動車グループとしては初めての試みだ。欧州工場は年産20万-30万台水準を検討しており、欧州市場開拓の拠点にしたい考えだ。東欧工場については、起亜単独出資が基本方針だが、場合によって現代自動車の参加も検討されるという。

 現在、起亜の生産能力は年産100万台だが、中国と欧州での新たな生産工場年産規模は45-55万台になり、そのウエートの大きさが分かる。ちなみに、起亜の上半期(1-6月)の輸出実績は25万8200台で前年同期比33%増を記録、国内販売の17万9500台(20%減)と好対照だ。

 一方、世界198カ国に輸出している韓国のトップメーカー、現代自動車は米国のアラバマやインドなどで乗用車生産工場に着手している。今後、米州、中国、インド、欧州など世界の主要拠点で現代、起亜ブランドを生産、世界展開を繰り広げそうだ。