盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の就任式が25日、ソウル・汝矣島の国会議事堂前広場で行われ、金大中、金泳三、盧泰愚、全斗煥、崔圭夏の歴代大統領をはじめ、小泉純一郎首相、ワイツゼッカー元西独大統領ら外国賓客と2万人の一般国民ら4万8000人が見守る中、第16代韓国大統領に正式就任した。盧大統領は、「平和と繁栄と跳躍の時代に」と題した就任演説で、任期5年の新政権を「参与政府」(国民参加の政府)と位置付け、「新政府は改革と統合を基本に国民とともに歩む民主主義、ともに生きる均衡発展社会、平和と繁栄の東北アジア時代を切り開いていく」と3つの国政目標を宣言した。また、対北朝鮮問題で太陽政策を継承・発展させた「平和繁栄政策」4原則を示し、「核開発は決して容認できない」とする一方、「対話による平和的解決」を強調した。
盧大統領は、午前11時15分過ぎから始まった約25分間の就任演説で、東北アジア時代、韓半島平和、改革と統合の3つのテーマ順に大統領としての考えを表明した。
特に、平和と繁栄の東北アジア時代建設など3大目標を実現するため、①原則と信頼②公正と透明③対話と妥協④分権と自律の4つを国政運営の座標として掲げた。盧大統領はこの中で、「東北アジア共同体を実現し、これを通じて世界の繁栄に寄与する」として、「真の東北アジア時代を開くためにはまず韓半島に平和が制度的に定着しなくてはならないし、韓半島が21世紀には世界に向け平和を発信する平和地帯に変わらなくてはいけない」と強調。
盧大統領は韓半島の平和定着のための自身の構想を明らかにして、まず金大中政府の対北政策に対する評価から始めた。韓半島の平和が増進され、人と物質の交流が拡大するなどの成果を肯定しつつも、「政策推進過程でより広範囲の国民の合意を得なくてはいけないという課題を残した」と問題点を指摘した。
その上で、①対話を通じた解決②相互信頼の優先および互恵主義③南北当事者原則に基づき円滑な国際協力構築④対内外的な透明性の向上および国民参与の拡大、超党的協力--の4つの原則を提示した。4番目の原則、「超党的協力」はこの問題点を改善するという意味に解釈できる。
盧大統領は北の核問題の平和的解決を繰り返し強調した後、「北朝鮮が核開発計画を放棄するなら国際社会は北朝鮮の望むものを提供する」として、「核兵器を保有するのか、体制安定と経済支援を約束してもらうのかを選択しなくてはならない」と迫った。
韓米関係については、「韓米同盟は我々の安全保障と経済発展に大きく寄与してきた。わが国民はこれに対し深く感謝している」と述た。これは現在の葛藤を放置できないとみたらであり、むやみに反米感情を高めるのは好ましくないと判断したからだろう。
内政問題では、「改革は成長の動力であり、統合は跳躍の踏み石である」と指摘、持続的な改革と国民統合を2大課題として掲げ、市場の透明性改善のための改革、政治改革、教育改革、不正腐敗の清算を進めていくと強調した。