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2004/09/17

<総合>ロシアから100件越す投資要請

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    クレムリン近くのカメンニ橋。沢山のLGの広告がかかっているため「LG橋」とも呼ばれている。後方のモスクワ国立図書館屋上には「サムスン」とかかれた巨大看板が目を引く

 盧武鉉大統領のロシア訪問(20-22日)を契機に、韓国経済界は財界トップが大挙訪ロに同行するなどロシア市場開拓に本格的に動き出した。すでにロシア側からは、エネルギー、自動車、プラント(産業設備)近代化など多様な分野で韓国に対して投資と協力を求めてきている。その数100件を超え、ロシア側の対韓秋波もかなりなものだ。ロシアは、中国、インド、ブラジルと共にBRICs(新興大国)の一角を占める将来有望な市場であり、今後モスクワを舞台に熱い商談が繰り広げられそうだ。

 ロシアの人口は1億4200万人で世界8位の水準だ。特に天然ガス埋蔵量は1700兆立方㍍で世界1。電力生産量は年間8778億キロワット時で世界2位。石油埋蔵量は600億バレルでサウジ、イラクに次いで世界3位。

 巨大なエネルギー大国であり、最近の石油価格高騰でオイルダラーが還流している。

 韓国にとっては、ロシアはまだまだ未開拓市場だ。対ロ輸出をとってみても、ここ数年急増しているが、まだ年間20億㌦にに満たない水準で対中輸出の20分の1以下だ。だが、韓国企業の対ロ進出は活発化しており、サムスン電子やLG電子などの家電メーカーのブランド認知度はすでに高い。例えば、サムスンの携帯電話はノキアより20%ほど高価だが、人気に火がつき、ついにシェアは1位になった。また、現代自動車は、販売が3倍以上の急伸張をとげ、日本車とし烈な市場争奪戦を繰り広げている。

 今回の盧大統領訪問に合わせ、ロシア側企業100余社から投資・協力依頼が見込まれている。具体的な案件をみると、エネルギー分野ではイテラ石油ガス会社がロシアに石油化学製品を製造する企業設立に韓国企業の参加を求めている。

 TNKーBPマネージメント社は、ガス公社とガス田の共同開発で協力関係にあるが、民間企業の追加参加も希望している。ロスネツフ・ガストロイ社は、ガス・石油パイプライン建設で韓国企業と第3国企業が参加する共同事業を提案している。

 エネルギー開発はロシアの国家事業でもあり、現在推進中のイルクーツクなどのガス田開発には120億㌦以上の投資が必要とされている。この開発問題は盧大統領とプーチン大統領の首脳会談でも話し合われる予定だ。
 
 今回の訪問で成約する最大プロジェクトは、LG建設とLG商事が受注した30億㌦規模のタタルスタン製油・石油化学プロジェクト。また、サムスン物産は10億㌦規模のハバロフスク製油工場改・補修プロジェクトの了解覚書を結ぶことになっている。

 自動車分野では、アブトト社が現代、起亜、GM大宇など韓国メーカーとの協力関係を希望している。自動車部品メーカーのイズアブト社は、ロシアに部品生産合弁会社の設立を提案している。流通業界でも、すでにロッテがクレムリンに近いアルバート街に4億㌦を投じて23階建ての百貨店とホテルを建設中だ。

 航空・宇宙分野での協力も進められている。この分野でロシアは米国と並ぶ世界トップ水準にあり、韓国初の宇宙飛行士もロシアの協力で訓練している。このように多様な分野で経済協力関係が構築されつつあり、韓ロ経済関係は新たな段階を迎えそうだ。