全国を半日生活圏化する韓国高速鉄道時代が幕を開けた。KTX(高速鉄道)の一番列車は、1日午前5時5分に釜山発ソウル行きが定刻に出発、これを合図に京釜線(ソウルー釜山間410キロ)、湖南線(ソウルー木浦間407・6キロキロ)の全区間で商業運行が開始された。この「新動脈」はビジネス、観光、地域社会などに大きな変化をもたらしそうだ。
京釜高速鉄道は1992年6月に着工、12年ぶりに完工した。13兆ウオンを投入した韓国最大の国策事業だ。この高速鉄道開通で、ソウルー釜山間を2時間40分で結び、従来の特急「セマウル号」に比べ1時間30分短縮される。京釜線は1905に開通したが、その時の所要時間は17時間だった。
新線での運行は東大邱までで、第2段階工事が終わる2010年には慶州ー蔚山ー釜山間も新線が完成、ソウルー釜山間は1時間56分で結ばれることになる。
高速鉄道は、韓国の大動脈であるソウルー釜山間だけでなく、ソウルー木浦間も2時間58分で走る。今回のKTX開通にあわせて湖南線の複線化を完了した。今後、天安・牙山、烏山、西大田のいずれかの駅から益山を通り木浦までの新線化を2015年までに終え、全線を新線で運行する計画だ。ソウルー光州間は現在の2時間38分から1時間40分で走破でき、立ち後れていた湖南圏の開発に拍車がかかりそうだ。
高速鉄道の開通の意義は大きく、高建・大統領権限代行も30日ソウル駅で開かれた京釜高速鉄道開通式で、「高速鉄道は国家競争力の象徴であり、21世紀にわれわれが作っていく反映の基盤である」と述べ、「生活と産業のすべてで高速鉄道がもたらしてくれる速度革命の多様な恩恵を経験することになるだろう」と強調した。
釜山では現在200万人の観光客を20%増できると推参、新たな観光商品開発に取り組んでいるが、周辺各地方へのさまざまな波及効果が期待されている。
旅行業界が準備する新たなテーマは「より多く、より遠く」だ。週休5日制が拡大されれば、これに「より長く」が加わる。KTX開通で1日数十万人の旅行客の利用が見込まれ、交通渋滞解消の救世主となる。日本、中国など海外からもKTXを利用した旅行商品開発の依頼が相次いでおり、外国人観光客の増加も期待できる。
航空機業界は、金浦ー金海など国内線の便数を減らすことになるが、国内線はほとんど赤字運行などでむしろ費用節減になると受け止めている。余った航空機を増大する中国路線などに投入する計画だ。各企業にとっては、日帰り出張も可能になり業務効率化を期待している。地方経済発展の起爆剤としての効果もある。
高速鉄道時代で重要なのは安全性の確保だ。高建・大統領権限代行もこの点について、「点検と運行に万全を期すよう」促した。
国土の新たな大動脈となったKTX(KOREA・TRAIN・EXPRESS)。高速鉄道が運行するのは、ドイツ、フランス、スペイン、日本に次いで世界5番目であり、2007年には韓国技術陣が制作した最高速度350㌔の高速車両が運行する予定だ。
◆メモ◆ 高速鉄道のソウル始発時間は釜山行きが午前5字30分、終電午後10時。光州行きは午前5時25分、終電午後9時35分。運行回数はソウルー釜山が往復で64回、ソウルー東大邱20回、ソウルー大田10回の計94回。湖南線はソウルー木浦14回、ソウルー光州16回、ソウルー益山4回の計34回。料金はソウルー釜山間で4万5000ウオン、ソウル木浦間4万1400ウオン。