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2004/02/20

<総合>韓国・チリFTA 4月1日発効

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    韓国・チリFTA協定締結から丸1年。やっと国会での批准が実現、握手を交わす国会議員ら

 国会は16日本会議を開き、難産の末に韓国・チリFTA(自由貿易協定)批准同意案を可決した。交換文書を交わしたのち、4月1日発効する見通しだ。韓国にとって初めてのFTAであり、太平洋をまたぐ国家同士でも初のケースだ。ただし世界では145番目と遅れたFTA参加になる。現在チリとの貿易額は年間15億㌦にすぎないが、協定発効で今後2年間に30億㌦に倍増するとみられ、韓国側の入超になっている貿易収支も均衡化すると期待される。

 チリとのFTAは昨年2月にソウルで協定が結ばれた。それから一年。すでにチリ側は上下院とも批准を終えたが、韓国側は農村選出議員の反対で3回も国会処理に失敗した。今回4回目にしてやっと通過でき、国際的な信用失墜を何とか免れることができた。

 票決は総投票数234票のうち、賛成162票、反対71票、棄権1票だった。与党・開かれたウリ党と最大野党・ハンナラ党が賛成し、新千年民主党が反対した。

 政府が1998年11月の対外経済調整会議でチリとのFTA推進を決めてから5年3ヶ月になる。この間、世界ではいくつものFTAが締結されており、韓国はもっとも遅れてのFTA参入となった。だが、このチリとのFTA成就を契機に、すでに交渉を開始した日本とチリをはじめ、その他多くの対象国選定に急ぐ方針だ。

 だが、今回のチリとのFTA批准を急ぐあまり、政府は農民支援に金利を事実上棒引きするなど農民要求に「全面降伏」した状態だ。それを見ている労働界では、今後影響が遙かに大きい日本などとの交渉で破格的な支援を要求する可能性が高く、大きな負担になりそうだ。

 チリとのFTA協定は、商品・サービス貿易以外に、政府調達、知的財産権など幅広い市場開放を規定しているが、核心は商品貿易における関税撤廃だ。協定が発効すれば、両国間の全貿易品目の96%の関税を10年以内に漸次撤廃しなければならない。

 韓国は1万1170品目のうち9740品目(87・2%)の関税を撤廃する。この中で韓国は工業製品の99・9%を優先開放し、農産物は段階開放する。一方のチリは5854品目のうち2450品目(41・8%)を即時撤廃するが、農産物の92・9%を即時開放するものの、工業製品は段階的に開放する。

 韓国側にとっては、自動車や携帯電話が即時撤廃されることで、自動車は年間2万台から4万台に増え、携帯電話はチリでのシェアが10%から2、3年内に倍増するとみている。ただ、韓国側が強い競争力をもつ洗濯機と冷蔵庫はチリ業界の反発で、開放品目から除外された。

 一方、チリ側にとっては、農産物の輸出増大を期待している。ワインは現在の関税率15%が5年内に撤廃されるので韓国市場の攻略を本格化できる。また、世界市場で24%のシェアを誇るブドウも、季節関税45%が10年内に撤廃される。(現在、韓国は非生産期間の11月から翌年4月まで輸入されるチリ産ブドウに対して45%の季節関税を課して、ブドウ栽培農家を保護している。)さらに世界シェアの17%を誇るキウイやモモも10年内に関税が撤廃される。コメ、リンゴ、ナシなどは今回の市場開放から除外された。チリは果樹大国であり、韓国は果樹農家対策が急がれる。対外経済政策研究院によると、FTAが発効すれば、韓国の対チリ輸出は年間5億4000万㌦増え、チリからの輸入は2億2000万㌦増える。年間貿易増大効果は7億6000万㌦だ。昨年の両国間貿易規模は1-11月基準で14億3000万㌦(輸出4億7100万㌦、輸入9億6100万㌦)。

 チリは一人あたりGDP(国内総生産)が4216㌦で、南米最高水準に達し、購買力はかなり高い。韓国はチリとの協定発効を契機に中南米市場開拓の橋頭保を築く。

 盧武鉉大統領は17日、チリのリカルド・ラゴス大統領と15分間の電話会談を行い、両国間のFTA批准同意案が国会を通過したことと関連、今後の協力増進策を協議した。

 盧武鉉大統領は、FTA交渉過程でみせてくれたチリ側の協力を高く評価した。両首脳は、今回のFTA批准で両国関係が画期的に発展するだろうという点で認識を同じくし、協力増進策を継続協議していくことに合意した。