ここから本文です

2004/01/09

<総合>新行政首都建設が具体化

 新行政首都建設が、今年から韓国最大の国家プロジェトとして推進される。年内に新行政首都となる立地選定を終え、2007年から建設に着手、2012年から政府機関などの移転を開始するスケジュールだ。この一大プロジェクトに要する費用は11兆ウオンを越えるものとみられている。最有力地域とされている忠清圏では昨年から地価が急騰している。地価問題では副作用も予想され、賢明な対応も必要だ。また、候補地間の“誘致競争”が激化しそうだ。行政首都といえば、ブラジルのブラジリアが有名だ。無人の広野を超近代的な都市につくりかえた。韓国ではどんな行政首都にすべきなのか英知を集めるときだろう。

 新行政首都をめぐる論争は数年前から続いていたが、昨年末の国会本会議で「新行政首都建設のための特別措置法案」を賛成167、反対13、棄権14で可決し、議論から実践の段階に入った。

 政府は、法律制定を受けて今年2月までに行政首都立地選定基準と基本構想に関する最終案をまとめ、部署間協議に入る。3月からは候補地選定作業に着手し、6月以降に立地を最終確定する方針だ。基本計画と立地が決まれば細部的な計画作成に入り、建設のための組織体系を整える。さらに用地買収などを経て、政府庁舎や道路建設など都市基盤施設の建設工事にとりかかるのは2007年下半期(7-12月)からの予定だ。

 すべての建設工事を終え、8年後の2012年から中央行政機関を段階的に移転する。新行政首都建設支援団では、「特別法の国会通過で新行政首都移転を体系的に推進できるようになった。これからは実務作業の推進はもとより、国民の協力を得られるように全力をあげる」と勢いづいている。

 だが、克服すべき多くの問題が残っている。ソウル・首都圏出身の国会議員と道議員、自治体団体長らをはじめ首都圏居住の住民たちと市民団体の間には依然移転反対の声が強く、実際の移転までには難航が予想される。特に行政首都移転費用をめぐって移転反対論が勢いづきかねない。当初、当時与党の新千年民主党は4-6兆ウオンを提示し、その後大統領引継ぎ委員会は7兆3000億ウオンと推定したが、最近では11兆2000億ウオンに膨れ上がっている。移転費用をどれだけ抑制できるのかは大きな課題だ。

 立地選定をめぐっては多くの論議が予想される。すでに昨年から移転候補地として、忠清圏の公州、天安・牙山、論山などがあがっており、これらの地価はすでに急騰していた。最終的に立地が決まったとき、脱落した地域で強い反発と地価上昇による副作用が憂慮される。

 政府は、移転する機関にについて「新行政首都が政治・行政機能を遂行するためには中央行政機関をはじめ、司法府、立法府、憲法裁判所などすべてを移転すべきだ」という立場だが、これら機関の移転のためには法改正手続きが必要なため、これをめぐっても論議が予想される。

 政府は、関係部署長官と民間専門からで構成される大統領直属の行政首都移転推進委員会と100人前後の諮問委員会、政務職公務員を団長とする推進団を構成し、これらの問題について協議して副作用を最小化する。