韓国の少子高齢化が急速に進んでおり、ついに昨年の新生児数は史上最低となった。統計庁が24日発表した「2004年の出生・死亡統計」によると、昨年1年間に生まれた新生児数は47万6052人にとどまり、前年より1万7419人減った。これは、70年に関連統計をとり始めて以来の最低値だ。また、女性1人が可妊期間(15-49歳)に生む平均新生児数である合計特殊出生率も1・16人に下がり、前年より0・03人減る世界最低水準になった。統計庁は出生率低下と平均寿命増加で2018年には65歳以上の人口比率が14%を超える高齢社会に突入し、2022年をピークに人口は減少すると予測している。なぜ韓国の女性は子どもを生まなくなったのか。この根本原因に対して政府は本格的な対策を迫られている。
人口を維持するためには2・08人を生まなければならないが、韓国の出生率はこれをはるかに下回る。主要先進国と比較しても、米国(2・04人)、フランス(1・89人)、英国(1・79人)、ドイツ(1・34人)を下回るのはもちろん、今年1-6月の半年間で初めて3万1000人の人口減少の衝撃に見舞われた日本の1・29人よりもはるかに低い。
また、出産女性の平均年齢は30・1歳になり、初めて30代に突入した。これは晩婚化により、出産年齢が高まったものだ。出生性比は女子100人に対し男子108・2人で10年前の115・2人よりは改善されているが、3人、4人目になると性比は132・0人、139・0人と急激に高まり、依然と男子選好が意識が払拭されていないことを示している。
人口の集中度を示す市・道別出生児比率をみると、首都圏が過半の50・4%を占めている。
問題は1人当たり国民所得が2万㌦も達成できていない韓国の出生率がどの先進諸国よりも低く、少子高齢化が急速に進展している点だ。統計庁は、このままいくと2026年には65歳以上人口が20%以上を占める超高齢社会が到来すると予想している。それだけ経済社会に及ぼすダメージが大きいが、対策は遅れているのが実情だ。
生産可能人口(15-64歳)を可能な限り多く確保し、成長潜在力を引き上げない韓国にとっては早すぎる老人国家の到来だ。統計庁では、韓国の生産可能人口は出生率減少の影響で2016年をピークに減少に転じると見ている。特に経済活動が最も旺盛な24-49歳の人口層が2年後の2007年をピークに減少するという点だ。生産可能人口の減少は、今後経済成長率をさらに鈍化させることが憂慮される。また、労働力の減少に対処するため、女性と高齢者が適切に活用されない限り、生産低下は避けられないと指摘されている。
高齢人口急増による国民年金や財政収支に及ぼす影響も無視できない。
金槿泰・保健社会部長官は24日の記者懇談会で、「過去の政策失敗が少子化という副作用を生んだ。出生率が2人に落ち込んだ83年に出産政策を抑制から奨励中心に転換すべきだった」と指摘、「少子化は国家の運命と直結する問題であるにもかかわらず、現在は愛国心に訴えること以外に特別な誘引策がない実情だ。年末までにより直接的で具体的な対策を作成する」と明らかにした。
だが、なぜ女性が子どもを生まなくなったのか。識者の中には、「国民の間にさまざまな格差が拡大している。底辺層の国民は生活をエンジョイできない。60年代、70年代はいまより生活は苦しかったが、未来はもっと良くなると希望をもてた」と格差社会の弊害を指摘する声もある。
確かに生活水準以下か、すれすれの貧困層は400万人に達し、彼らの相対的貧困感は高まっている。出生率低下の原因を探り、総合的な対策をとる必要があるだろう。