韓国の貿易規模が史上初めて5000億㌦を突破した。産業資源部によると、2日現在で輸出2608億㌦、輸入2395億㌦を記録、貿易額は5003億㌦に達した。世界12番目の5000億㌦達成だ。年内に5450億㌦以上に増える見込みで、香港を抜いて世界11位にランクアップが予想されている。来年も10%以上の貿易の伸びが見込まれおり、1、2年内に世界10大貿易国に仲間入りするのが確実となった。
貿易額は、1988年の1000億㌦達成から17年間で10倍増。95年の2600億㌦からみると、10年間でほぼ倍増となる。韓国の貿易規模は67年に10億㌦を突破して以降、74年に100億㌦、2000年に3000億㌦とハイスピードで増大を続けてきた。
短期間にこれだけの増大を遂げたのは、中国を除いて例がない。特に2000代に入って、半導体、自動車、携帯電話、、石油化学製品、造船の5大輸出品を中心とする輸出伸張が貿易増大に大きく貢献した。
輸出はこの3年間、2ケタの伸びを記録し、特に昨年には31%と驚異的の伸びを示したのも、この5大輸出商品が健闘したからだ。60年代にはかつらなど軽工業品が主力輸出品だったが、年々技術集約型の高付加価値品のウエートが高まっている。これは、韓国の産業構造の高度化を反映するものである。
一方、輸入もかつては農産物や繊維などが中心だったが、現在は輸出用資本財と原油など原資財が主要な輸入品になっている。輸出の伸びが急速なおかげで、貿易収支は慢性的な赤字から黒字に転換しており、原油価格が急騰した今年も、貿易黒字は200億㌦台が見込まれている。
今年の年間輸出5450億㌦(推定)は、メキシコを除いた中南米38カ国の総貿易規模5136億㌦(昨年実績)、アフリカ53カ国の総貿易規模4435億㌦を上回る。
産業資源部は、国会での党政協議で、「98年以降、貿易規模が年平均13%増えたが、今後平均10%増大するとして、2012年には貿易規模1兆㌦達成が可能」と報告した。問題は引き続き輸出を増大できる新たな品目を送り出す「ポスト5000億㌦」への取り組みだ。
産業資源部はこのため、①部品・素材・機械などの基礎産業の力量強化②未来型自動車、知能型ロボットなど10大次世代成長エンジン品目の早期産業化③サービス輸出拡大などを通じて世界的な貿易ハブ(拠点)構築を打ち出している。
一方で、一部品目の過依存している輸出構造の改善も必要だと指摘されている。5大輸出品目の輸出比重は95年の33・6%から今年には44・9%にまで高まっており、景気変動への弾力性が弱まっているからだ。また、製品貿易とともにサービス貿易にも力を入れないと1兆㌦の壁突破は容易でないという声もある。
貿易5000億㌦突破は、間違いなく国家的慶事であり、発奮材料になる。天然資源に乏しい韓国は、今後も貿易拡大を通じて経済を発展させていくしかないが、これからはさらに厳しい国際競争にさらされるだけに、各産業の一層の高度化が迫られよう。