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2005/07/01

<総合>60の海外油田確保へ

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    10兆ウォンを投じて原油価格高騰に対処すべく海外油田開発を本格化する

 国際原油価格が急騰、ついに1バレル=60㌦時代に突入した。原油のほぼ全量を輸入している韓国にとって、この原油価格上昇の影響は甚大だ。総合対策を講じている政府は、今後さらに原油価格が上昇すれば街灯やネオンの使用規制、乗用車10部制(ナンバーの末尾による運行規制)、風俗店やゴルフ練習所の営業時間短縮などエネルギー規制を段階的に実施する方針だ。また2013年まで、10兆ウォンを投入して、60の海外油田鉱区を確保する計画も進めている。

 国際原油価格はWTI(米テキサス原油先物価格)が27日、1バレル=60・17㌦をつけ、国内輸入原油の75%を占めている中東産ドバイ原油も53・79㌦を記録、過去最高値を更新した。今回の原油高騰はイラン発といわれ、アフマディネジャド新大統領が24日の就任第一声で、「国内企業に原油開発優先権を与える」と述べたのが影響したとされる。

 原油価格の急上昇は石油関連製品の価格上昇やタクシー代など公共料金の上昇を招き国民の経済を圧迫している。石油化学・航空・自動車業界なども対応に忙しい。

 政府は、①平常②注意③警戒④深刻の4段階のシナリオで対応することにしており、現在は注意段階と見ている。今後1バレル当たり10㌦以上上昇した場合、各種エネルギー使用規制措置を実施する方針だ。

 一方で、原油価格の動向に一喜一憂する状況を根本的に改善、自前の石油開発を推進するため、本格的な海外油田鉱区の買収にも乗りだす。

 韓国は現在、原油輸入量のうち自給率(国内技術や国内資本が投入された自前の原油)は3・8%に過ぎない。これを2008年に10%、2013年には15%にまで引き上げようという計画だ。

 まず5兆ウォン規模の油田ファンドを造成するとともに、資本金5兆ウォンの資源開発専門会社を設立して海外石油会社の買収、海外油田鉱区の大量買い入れを進める。資金は一般投資家からも募る予定。

資源専門開発会社は資本金5兆ウォンと油田ファンドの5兆ウォンを投資財源として事業展開することになる。

 産業資源部では、資源開発専門会社が1日の生産量5000万バレル規模の鉱区を60ほど確保できるようにし、アジア最大の石油会社になるよう育てたいとしている。