世界テレビ市場でメイド・イン・コリアが席巻している。市場調査機関のディスプレイリサーチがまとめた第3四半期(7-9月)のブラウン管、液晶、プラズマを合わせた全世界テレビ売上実績でサムスンがシェア11・1%を占め、世界1位を維持した。販売量基準でも初めて世界1位のシェア9・6%を記録、名実共に世界テレビ界の王者になった。また、LG電子と合わせた韓国2社の世界シェア(売上19・3%、販売18・2%)は20%に近くに達し、日本製を抜き韓国製テレビのトップブランドイメージを立証した。来年2月のトリノ五輪、6月のドイツ・ワールドカップを控え、欧州での高画質テレビ市場でも韓国製テレビの市場浸透は急速に進んでいる。
世界のテレビ市場では韓国のサムスン電子、LG電子、日本の松下電器、ソニー、シャープ、欧州のフィリップス、TTE(仏トムスンと中国TCLの合弁)の韓日欧7社の市場争奪戦がし烈だ。
売上基準をみると、サムスン電子が不動の1位を続けており、シェアも第2四半期(4-6月)の9・9%をさらに1・2ポイントアップさせた。しかし、追撃メーカーの勢いも衰えていず、2位松下のシェアは10・1%、3位フィリップス9・6%、4位ソニー8・3%、5位LG電子8・2%と「油断禁物」の状態である。
特に販売量基準では、韓国メーカー同士の1位争いがし烈で、第2四半期はLG電子がシェア9・8%でトップに立っていた。第3四半期に1、2位が逆転したが、中国メーカーが合弁のTTEが第3位のシェア7・4%を記録、急追の勢いであり、楽観はできない。
第3四半期の世界テエビ市場は、出荷量が4360万台で前年同期比2%増。売上は191億㌦で同12%増となっている。
特に液晶テレビが売上65億㌦(37%増)、販売量550万台(36%増)とも急伸長している。液晶テレビに限ってみればシャープがシェア18%でダントツ。次いでフィリップス、サムスン電子、ソニー、LG電子の順だ。また、プラズマテレビでは販売量160万台の松下電器がトップの座にある。
だが、この液晶とプラズマの欧州市場で韓国メーカーは日本に急追していている。特に2月にトリノ冬季五輪が開かれるイタリア市場で、サムスン電子は市場シェア20・6%を記録、2位フィリップス(12・2%)、シャープ(11・6%)、ソニー(7・0%)を大きく引き離している。
来年6月にワールドカップを開催するドイツなど欧州各国ではではテレビの買い換え需要が爆発的に増えると予想されており、各メーカーの高画質映画のマーケティング戦略がしのぎを削っている。欧州の液晶、プラズマテレビ市場ですでに2割のシェアを獲得しているサムスン電子とLG電子の韓国2社は、本格的な販売体制に突入した。日本勢の強い英国でサムスンはスポーツマーケティングを本格化、サッカー・プレミアリーグのチェルシーを後援、自社のロゴ入りユニフォーム35万着販売するなど地域密着化を図っている。LG電子もドイツワールドカップ代表チーム後援を引き受けるなど積極的に動いている。
世界のデジタルテレビ市場は来年526億㌦が見込まれている。巨大市場をめぐって韓日欧入り乱れての争奪戦の行方が注目される。