政府は27日、李海チャン・国務総理主宰で国務会議を開き、総規模221兆4000億ウォンの来年度予算案と基金運用計画案を確定した。10月2日までに国会に提出する。来年度予算案は今年度予算に比べ6・5%増えており、社会福祉と未来の産業動力拡充のためのR&D(研究開発)投資及び南北統一分野に力点を置き、社会間接資本分野への予算配分は初めて前年度を下回った。税収不足のため、昨年に続き9兆ウォン規模の赤字国債発行で補うとしており、国会で論議を呼びそうだ。
来年度予算案は、実質経済成長率5%(物価上昇を反映した経常成長率7・5%)、為替レート1㌦=1010ウォン、金利5・5%を前提に編成された。政府案をみると、▽基本予算である一般会計は115兆5000億ウォン▽別途事業のための特別会計41兆ウォン▽各種基金64兆9000億ウォンとなっている。一般予算は今年度当初予算比8・3%増。
企画予算処は、成長動力の拡充と(富の)両極化解消を最大の力点において予算編成した。これにより、社会福祉分野に今年比10・8%増の54兆6537億ウォンを配定。全体支出の24・7%を占める最大の歳出項目となったが、これで貧困層への支援を強化し、格差是正を図る。
R&D分野へは今年比15%増の8兆9729億ウォンを投入する。特に基礎研究費は23・6%増の1兆7252億ウォンに拡大している。また、統一分野には今年比84・4%増の1兆5622億ウォンを配定しており、国家財政で統一費用負担が本格化することになった。国防費も将兵の処遇改善などで9・8%の高い増加率となっている。
これに比べ、輸送・交通・地域開発などの社会間接資本は初めてマイナス2・7%の17兆7600億ウォンに削減された。その代わり、今年から実施している民間資本の公共部門工事建設投資規模を10%以上増やす計画だ。
来年の国民の税金負担額は1人当たり年間356万ウォンへと今年度より23万ウォン増えるが、歳出需要の増加に税収は追いつかない。このため、来年度予算では15兆ウォンの歳入不足が見込まれる。このため、中小企業銀行などの政府株式売却と9兆ウォンの赤字国債発行で補填することにしている。
国家債務はふくらむ一方であり、外貨危機の1997年の4・3倍の279兆ウォンに拡大することになる。国会審議では、歳出をもっと抑え均衡予算を編成すべきだとの批判がでるのが必至だ。
例えば、公務員数は盧武鉉政権2年目の昨年末に93万6387人と過去最大になった。今年初めに鉄道庁が公社化され、91万人台に減ったが、それでも通貨危機時の87万人より多い。長次官クラスは148人で過去最多だ。公務員人件費が今年度より8%増の20兆5000億ウォンに拡大していることもやり玉にあがっている。
政府は財政の効率化を強調しているが、赤字国債発行を続けていることの正当性を十分に説明できるのかが今後の国会審議のポイントになりそうだ。