韓悳洙・副総理兼財政経済部長官は31日、果川の政府総合庁舎で秋秉植・建設部長官、李周成・国税庁長らと合同記者会見を持ち、庶民住宅安定と不動産投機抑制のため総合不動産対策を発表した。対策の特徴は1世帯で2住宅保有者と基準地価6億ウォン以上の住宅保有者らへの税制を強化する一方、住宅供給拡大のため、ソウル江南地区に近い松坡(ソンパ)区に666万平方㍍規模の身に新都市を建設すると明らかにしている。今年に入って、ソウルなど首都圏を中心に住宅価格が急騰、不動産バブル化しており、政府は今回の措置で2年前の10・29不動産対策の水準までに抑制したいとしていている。
韓副総理はこの日の会見で、「いま不動産市場は、これ以上市場自体の秩序にだけ任せることができない状況だ」と指摘、「政府が乗り出して正常化のための断固たる政策を作成した。その核心は登記による不動産不労所得を税金で徴収し、社会に還元することだ」と述べた。
対策によると、1世帯2住宅保有者と空き地の投機的取引に対して譲渡所得税を50%賦課する。2007年の売買から適用する。ただし、首都圏と広域市は1億ウォン以下、地方は3億ウォン以下を適用除外にした。また、総合不動産税の算定方法を個人の合計としていたものを世帯の合計に切り替えることで課税を強化した。
対象となる住宅の対象も、現行の基準地価(国税庁定期的に告示する住宅価格で、実勢価格の70-90%水準)9億ウォンから6億ウォン以上に、更地(非業務用遊休地)は6億ウォンから3億ウォン以上にそれぞれ拡大した。
その代わり、取得税や登録税率は現行の3・5%から2・5%に引き下げる。
このような不動産税制強化の一方で、ソウル市松坡区の巨余洞一帯の軍用地やゴルフ場などを転用して、666万平方メートルミニ新都市を建設、2008年までに5万世帯分のマンションを分譲する計画だ。また、板橋新都市の住宅供給量を10%(2600世帯分)増やし、金浦新都市、楊州地区など開発地域の規模を3333万平方㍍に拡大し、住宅供給を増やす。
韓副総理は、「今年に入ってマンション価格が急騰、3・3平方㍍当たり2000万―3000万ウォンもするのは、明らかにバブルだ」として、今回の対策で住宅価格を2003年10月29日の不動産対策以前の水準に戻すのが望ましいと語った。同年9月の主要地域のマンション売買指数を基準とすると、韓副総理のいうように10・29対策以前の水準になると価格は20―40%台に下がることになる。
◇解説・不労所得根絶へ強力策◇
今回の総合不動産対策は、従来の対策と比べ不動産税制が強化されており、不動産市場に与える影響は大きい。市場関係者は、「内容面で前回の対策よりかなり強力であり、不動産市場に大きな衝撃をもたらすだろう。少なくとも6カ月から1年程度は下落勢がつづくだろう」と予測した。
事実、一部地域で2住宅保有者が売り出しをはじめた。1世帯3住宅保有者に対する譲渡課税強化は今年から実施されたが、昨年後半からソウル江北地域で小型マンション価格下落現象をみせた。
従来の不動産対策と比べ、今回の対策は、税制から供給にいたるまで住宅と土地など不動産と関連した制度全般いわたって広範囲な内容をもっている。保有税と譲渡税、取引税など不動産の買い入れから保有、処分までの税制を強化、投機目的の需要面を強力に遮断している。その一方で、公共宅地やマンション供給拡大などで政策の均衡をとっているのが特徴だ。
世論の中には、「あまりに規制が強い。これでは共産主義以上だ」という声もあるが、「これで投機の輩の跋扈を防げる。政府の断固たる決断を評価したい」とする声も少なくない。重要なことは、不動産投機で不労所得をあげるのは困難だという認識が広がることであり、今回の対策の行方が注目される。