韓国政府は13日、中央庁舎で李海チャン国務総理が主宰する関係長官会議を開き、急騰する不動産価格と不動産投機に対する緊急対策案をまとめた。アパートなど住宅価格の急騰を抑制するため、投機性資金の流入防止や住宅ローン担保貸出の縮小などの緊急措置を講じる。
政府はまず、最近住宅価格が大幅に上昇している京畿道城南市の盆唐新都市、果川市、龍仁市、ソウルの江南区、瑞草区、松坡区の6地域を住宅価格急騰地域に認定、住宅市場に投機資金が流入するのを防ぐため、同地域の銀行、保険会社など金融機関を対象に、担保貸出比率(LTV=担保物件の価値に対する貸出金の割合)が適切かどうか、実態調査に乗り出す。
これに加えて、10年以上の長期住宅ローンの担保貸出比率を現行の60%から40%に下げ、投機へ向かう資金の流れを遮断する方針だ。
国税庁も住宅投機で利益を上げた者に対し徹底した調査を行う。住宅急騰6地域で昨年7月以降にマンションを取得した276人と今年1月以降にマンションを譲渡された181人を対象に、投機資金の出所、譲渡税の脱税がないかどうか調査する。
また国税庁では、住宅価格急騰地域の専用面積84・8平方㍍以上の中大型マンションを対象に、時価に対する公示価格の比率を現在の80%台から7月末には90%に引き上げる計画だ。公示価格を随時改正し、投機利益に徹底して税金を課す。
韓国銀行も、市中の浮遊資金が住宅市場に流入することを防ぐため、住宅担保貸出総量制、貸出限度額の設定などを検討している。
しかし検討していた金利の引き下げについては、経済全体に与える影響が大きいため、見送ることになった。
一方、政府は、住宅不足が深刻化していることから、下半期にも新都市造成候補地の選定に入り、住宅供給拡大策を打ち出す。
◇1週間スト決行 不動産仲介業者◇
ソウル松坡区、京畿道盆唐新都市などで始まった不動産仲介業者のストライキが全国に広がっている。
全国不動産仲介業協会は15日から1週間全国で一斉ストライキに突入。全国約7万3000の加盟業者が営業を停止した。
今回のストは、不動産仲介業法の改正に反対して実施したもので、同協会は「住宅価格の急騰を招いた最近の不動産投機過熱の原因が、不動産業者にあるような指摘があるが、責任は政府の誤った政策にある」と政府を批判している。