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2005/06/10

<総合>金剛山観光100万人突破

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 北朝鮮最大の名勝地・金剛山への韓国からの観光客が7日、100万人を突破した。事業主体の現代峨山はこの日、1369人が陸路で金剛山観光に出発し、累計100万1026人に達したと明らかにした。1998年11月18日、釜山港から「金剛丸」に乗りが5時間かけて第一陣が金剛山に到着して以来、6年6カ月ぶりのことだ。金剛山観光事業は一時低迷したが、2003年9月の陸路開通を契機に再び人気を取り戻し、南北最大の協力事業になった。

 現代峨山はこの日、韓国側の出入事務所で100万人目の観光客、クォン・ジョンスク氏(33)に100万ウォン相当の金剛山観光商品券をプレゼントした。8日には金剛山の温井閣特設舞台で6・15南北共同宣言5周年及び金剛山観光客100万人突破南北共同記念式と音楽祭も開かれた。

 金剛山観光は、開城工業団地、南北間陸路連結とともに南北3大経済協力事業として始まった。事業の主役だった現代グループの鄭周永名誉会長の他界、続く鄭夢憲会長の自殺、対北朝鮮送金疑惑追及、西海での銃撃事件などの紆余曲折を経て、一時中断の危機に陥った。実際、2003年にはSARS(急性呼吸器疾患症候群)の余波で2ヶ月間中断された。

 しかし、同年特に9月に南北軍事境界線をバスで超える陸路観光が実現し、日帰り観光や1泊2日の短期観光が可能になってから活気を取り戻した。昨年には月平均2万人が訪れ、昨年末までに86万人に達し、この日の100万人突破となった。

 現代峨山では、「創業者の意思を受け継いで役職員が団結し、国民の声援と関係当局の積極的な支援を受け100万人を突破できた。今後1000万人突破に向けて邁進したい」としている。だが、当初年間目標にしていた年間50万人にはまだほど遠い。現代峨山によると、これまで海路で55万7681人、陸路では44万3905人が訪問したとのことだが、今後陸路観光をどれだけ円滑にできるかも鍵になりそうだ。

 現代峨山はいま、金剛山一帯を総合レジャータウンとして開発、世界的な観光地と育成する計画を進めている。このため、来年オープンをめざしているゴルフ場をはじめ、新型ホテル、温井閣など多様な宿泊・レジャー施設開発にも取り組んでいる。また、海金剛から元山まで109㌔を開発する総合計画も立案中だ。

 7月からは金剛山海水浴場(2003年開場)でテントを張り、野営することが可能になりそうだ。すでに北朝鮮側と合意をみている。これまではテントはおろか、海水浴ができるのは昼間の数時間だけだったが、今後は24時間利用が可能になり、海水浴しながら山の絶景を堪能できる。

 さらに、金剛山訪問手続きも簡素化される見通しだ。関税庁は陸路で金剛山と開城工団を訪問する観光客の携帯品に対する検査を省略するか大幅簡易化にすることにしている。自家用車での乗り入れにも合意をみており、北当局の許可が得られれば近く100、200台規模でのモデル観光を行う計画だ。ソウルから車で気楽に金剛山旅行できる日も夢ではなくなった。分断以降、南北の行き来がこれほど自由になるのは初めてのことであり、関係改善の新たなステップになりそうだ。