輸出がウォン高、原油高騰の環境悪化の中でも健闘している。産業資源部が1日発表した5月の貿易統計(通関基準、暫定)によると、同月の輸出実績は233億㌦を記録、前年同月に比べ11・8%増加し、再び2ケタの伸びを回復した。輸出を牽引したのは韓国最大の輸出品目、半導体と自動車。強化された国際競争力を背景に6月以降も輸出の牽引車として期待されている。
輸出は2003年5月以来、2ケタの伸びを続けていた。昨年は輸出の爆発的な伸びがあったおかげで深刻な内需不振をカバーした。だが、今年に入り急激なウォン高の影響で、2月に6・6%、4月にも6・9%と伸びが1ケタに墜落した。
先行きに不安感が広がっていたが、5月に再び2ケタの伸びを記録したことで、輸出関係者はほっと一息ついている。
5月の輸出を牽引した半導体は前年同月比10・2%増加し、自動車に至っては20%増と絶好調だった。半導体はフラッシュメモリーの輸出が特に好調で、自動車はブランドイメージ向上で特にアジアEU(欧州連合)で大きく伸びた。お家芸の船舶もここ数年来の受注好調を反映し、86・7%増を記録。一般機械36・4%、石油化学35・3%、鉄鋼38・4と重化学製品輸出が好調だった。
これと対照的にコンピューター輸出は28・7%と激減した。安価な台湾製などの追撃にあい、老舗の三宝コンピューターが経営危機に陥ったようにコンピューター業界はかなり苦戦を強いられている。また、家電(3・3%減)と繊維(3・4%減)も不振だった。
地域別には、対中輸出が27%増え、対日も26・6%と高い伸びをみせた。ASEAN(東南アジア諸国連合)向けも30・4%増え、中南米に対しては実に91・6%と急増した。だが対米輸出は、IT(情報技術)品目と繊維類(16・5%減)の不振で14・1%と大きく落ち込んだ。
産業資源部当局者は、「米国、中国など主要輸出相手国の景気動向が比較的安定しており、6月以降は例年輸出が好調なので、いまの2ケタ増加率を継続、年間輸出目標2850億㌦は達成できそうだ」と述べた。1-5月の輸出累計は1130億8000万㌦で、これは年間目標の約40%。
一方、5月の輸入は前年同月比18・4%増の211億9000万㌦を記録した。原油価格急騰で原油輸入額が49%も増えたことが大きかった。原資材の輸入増加率は33・5%を記録、消費財(16・2%増)、資本財(13・4%増)の伸びを大きく上回った。1-5月の輸入累計は1027億5000万㌦を記録した。
貿易収支は黒字幅が縮小、5月の黒字実績は21億1000万㌦と前年同月に比べ8億3000万㌦減少している。