夢のリニアモーターカー(磁気浮上列車)が韓国でも実用化される。韓国機械研究院と現代・起亜自動車グループ系列の鉄道車両専門メーカー、ロッテムは10日、共同開発したリニアモーターカー「マグレブ」を公開し、全国の地方自治団体関係者が試乗した。2007年商用化をめざしている。
大田の大徳研究団地にある韓国機械研究院前につくられた1・3㌔の試験線路上を国内技術陣が独自開発した「マグレブ」(magnetic-levitation、磁気浮上の略)が最高時速75㌔で走った。数十人の試乗者たちは「もしエアコンの音がなければ騒音と振動を感じられなかっただろう」というものだった。
マグレブが動く原理は簡単だ。超伝導の磁石を活用、空中に浮いたまま走る。車両がレール上に浮いている高さはわずか1㌢。
マグレブはドイツと日本につづき世界3番目に開発されたリニアモーターカー。最高時速110㌔の都市型で、2両1編成だ。1両当たりの最大搭乗人員は135人。レール面に接しないで走るので騒音、振動がほとんどない。現在、国産化率は99%に達する。速度はまだ遅いが、実用化に備え高速化の準備も進めるという。
政府はリニアモーターカーを10大国策事業に選定、97年に試作品の車両開発に成功、この間商用化を進めてきた。そして、やっとそのめどがつき、今回の試運転となった。
今月末にエキスポ公園-国立中央科学館間の1㌔を結ぶ商用化線路工事を発注、2007年4月開通を目標にしている。ソウルでは、テヘラン路-大峙洞-開浦洞を結ぶ区間と、冠岳区庁-ソウル大学-ソウル大工学館区間が運転に適していると候補に挙がっている。
ロッテムは昨年、マレーシアとインドネシアなどに国内技術で開発されたリニアモーターカーの輸出を推進した。しかし、「実用路線の運転経験がない」という理由で契約までに至らなかった。ロッテム関係者は、「早期に商用化ができなければ、ドイツや日本の後塵を拝し、技術隷属化に陥る」として巻き返しを図っている。