韓国で初めて民間企業が主導する「企業都市」づくりが始まろうとしている。全羅南道の海南・霊岩、江原道の原州などの8地域が候補地として申請、71社(地方自治体などの機関含む)が投資・開発に参加すると名乗りをあげた。政府は妥当性を検討、6月までに最終選定する予定だ。候補地のうち4、5地域が選ばれる見通しだ。
この「企業都市」という概念は、民間企業の投資活性化を通じた雇用促進と国土の均衡発展を目的に導入された。根拠法となる「企業都市特別開発法」を昨年末制定し、今回初のモデル地区選定となった。
今回候補となった8地域は、観光レジャー型(5地域22社)、知識基盤型(2地域11社)、産業交易型(1地域38社)の3つのタイプに分けられる。
それぞれの概要を見てみよう。
◇観光レジャー型◇
①全羅南道の海南・霊岩 海南郡山二面と霊岩郡三湖邑一帯の干拓地100平方キロ㍍を2017年までに人口50万人規模で開発するという構想だ。モデル対象面積は700万平方㍍。政府が西南海岸観光レジャー地域として推進している所でもあり、企業都市選定第1号になる可能性が高い。参加企業は18社。錦湖産業、大林産業、ロッテ建設などに全国経済人連合会と韓国観光公社も加わっている。計画では300億㌦を投資、ゴルフコース30、ホテル20、シルバータウン2万戸、外国人学校、病院、家族娯楽施設などを建設する。
②忠清南道の泰安 泰安郡泰安邑・南面一帯1560万平方㍍を2010年までに開発しようという計画。事業主体は現代建設で、投資額は8000億ウォン。ここは現代建設が所有している瑞山干拓地の浅水湾B地区とその周辺だ。パブリックゴルフ場144ホール、会員制18ホール、ゴルフ専門教育機関(小・中・高校と大学)、青少年レクリエーションパーク、生態体験公園などを建設する。
③全羅北道の茂朱 茂朱郡安城面一帯100平方㌔㍍が開発予定地。茂朱リゾートとは2キロの近距離だ。2002年に茂朱リゾートを買収した大韓電線が事業を主導、2015年までに7600億ウォンを投じてゴルフ場、宿泊施設、教育施設、文化関連施設などを建設する計画だ。
④慶尚南道の泗川 泗川市?洞面一帯660万平方㍍を2010年まで開発する計画。南海高速道路泗川インターチェンジに近い。事業主体はIBN観光レジャー開発。4年間に3000億ウォンを投入してゴルフ場27ホールなどスポーツ施設に力を入れる。
⑤慶尚南道の河東と全羅南道の光陽 河東郡河東邑と光陽市多鴨面一帯2770万平方㍍が開発予定地域。蟾津川を挟む違う道の2市・郡が共同事業を行うことに合意。事業主体は東西和合開発を中心にコンソーシアムを組む方針だ。
◇知識基盤型◇
①江原道の原州 原州市地正面、好楮面一帯2640万平方㍍のうち、第一段階として330万平方㍍に対して2000億ウォンを投入して、研究開発団地と住居施設を備えた企業都市を建設する計画。江原道と原州市、国民銀行、ロッテ建設など6機関・企業が参加する。先端産業及び医療機器、林業と関連した研究所と貴重を誘致し、理工系大学の設立もめざす。
②忠清北道の忠州 忠州市周徳邑、利柳面、可金面一帯693万平方㍍2012年までに開発する。利樹グループ、大韓住宅公社など5機関・企業が参加、IT(情報技術)、生命工学団地を建設する計画だ。
◇産業交易型◇
①全羅南道の務安 務安郡務安邑、望雲面、清渓面、玄慶面の4620万平方㍍が開発対象地で、2007年開港予定の務安空港の近くだ。産業交易型としては唯一の候補地だ。務安郡とBSバイオテック、高麗セメントなど38機関・企業が参加。2009年までにバイオ集積基地として建設する計画だ。