新任の韓ドクス・副総理兼財政経済部長官は15日、果川の政府総合庁舎で就任挨拶を行い、「盧武鉉大統領の国政哲学を基調に前副総理が推進してきたすべての課題を一貫性もって蹉跌なく推進する」と強調した。また、盧大統領が年初に提唱した「先進韓国構想」を実現するため①マクロ経済の安定②公正で透明な市場経済構築③政府革新の3課題を提示、特にマクロ経済安定のため5%成長、3%台の物価安定、国際収支黒字基調の維持を力説した。
就任式のあと、記者室で「既存政策の一貫性推進を強調しているが、独自色のない経済副総理になるのではないか」との質問に対して、韓副総理は「自らの色合いをなくさなければならないと考える」と答え、「既存の経済政策とシステムは、この間の数多くの討論の末に参与政府が提示した国政運営方向の枠の中から出たものであり、それを再照明する必要はないだろう。すでに提示された政策が成功するように推進することが私の任務だ」と語った。
全羅北道全州出身で、京畿高、ソウル大卒の56歳。旧商工部の産業政策局長、中小企業局長、外交通商部の初代通商本部長、特許庁長、青瓦台(大統領府)政策企画・経済首席秘書官を経て、盧政権出帆以降は産業研究院長、国務調整室長をを務めた典型的な行政官だ。李憲宰・前副総理が金融に明るいカリスマ的なリーダーであるとすれば、産業政策と通商政策に精通した調整型の能吏といえる。
特に、チリとのFTA(自由貿易協定)、米国との投資協定で実務交渉を主導し、スクリーンクォーター制度(韓国映画の一定比率上映義務)廃止を主張するなど開放政策に対する信念には強いものがあるといわれる。
経済界は、新副総理に対して、政策基調に変化はなく、むしろ規制緩和など親企業的な政策を期待して歓迎している。
韓国経済はいま、内需回復の兆しを経済全般に拡散させる課題をかかえている。韓副総理は「わが国経済はとても希望を持てる状況」と楽観しているが、信用不良者問題、若年失業者増大、輸出産業と内需産業の乖離、貧富の格差拡大など経済の両極化現象への対処など難題が山積。
これについて韓副総理は、「政策を一貫して進め、マクロ経済を安定させながら先進経済システムをつくれば、必ずよい結果がえらえるだろう。脆弱な階層を積極的に保護し、先進開放国家に向け取り組まなければならない」と強調した。