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2005/03/04

<総合>ASEANとFTA年内妥協

 韓国とASEAN(東南アジア諸国連合)は年内にFTA(自由貿易協定)交渉を妥結する見通しだ。外交通商部の通商交渉本部によると、先週末にインドネシアのジャカルタで開かれた第1回交渉で、まず商品分野でまず妥結、12月12日の韓国・ASEAN首脳会談で協定サインし、2006年発効で基本合意した。投資、サービス分野の交渉は来年中の妥結をめざす。

 韓国とASEANは今回の交渉で、「2005年は商品分野でのFTA交渉妥結、2006年は投資・サービス分野での交渉妥結および商品分野のFTA発効、2009年からのゼロ関税でFTA完了」というロードマップに合意した。

 通商交渉本部の洪宗崎調整官は「今回の合意で、韓国はFTAライバル国の中国、インド、日本よりも先にASEAN市場で有利に展開できる土台を築いた」と評価した。中国はASEANと2010年、日本は2012年から商品分野でゼロ関税を実施する予定だ。これで、5億3000万人の巨大市場をめぐる韓中日3国間の通商戦は、韓国が一歩リードする形になった。

 アジアで中国、インドに次ぐ人口を誇るASEANは、原油、天然ガス、ゴム、原木など天然資源に恵まれており、関係各国の注目度は高い。さらに、東南アジアの自由貿易地帯をベースに経済ブロックを形成しているため、早期参入が重要視されている。

 通商専門家らは、「ASEANは主な工業製品に対する関税率が9~30%と高いため、F
TA競争で後れをとると、国内企業は中国や日本企業に太刀打ちできなくなる」と指摘、AEANとの早期FTA妥結に合意した韓国政府の努力を評価した。通商交渉本部の関係者は、「うまくいけば、製造業で12兆ウォンの生産増加、7万人以上の雇用創出が期待できる」と期待した。

 また、今回の交渉で韓国側は、北朝鮮の開城工業団地で生産される製品に対してASEANが韓国産と同一水準の特恵関税を付与するよう要請した。これに対してASEAN側は、始めると約束した。この問題について、昨年FTA交渉が妥結したシンガポールは、開城産も韓国産として扱うとの立場をとっている。

 インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア、フィリピンなど東南アジアの10か国からなるASEANは、韓国の輸出の10%を占める5大貿易相手地域で、昨年の貿易規模は464億㌦に達した。これは対日貿易額に次ぐ規模だ。

 次回交渉は4月19日からソウルで行われる。