産業資源部は、来年から2020年まで総額29兆ウォンを投入して原子力発電所、火力発電所、LNG(液化天然ガス)発電所など計39基(3442万㌔㍗)の発電所を建設する「第3次電力需給基本計画」を発表した。中長期的に電力需要が増大する見通しのもと、発電設備の拡充に乗り出したものだ。計画通りいけば、発電設備は現在の6556万㌔㍗から2020年には9428万㌔㍗に増強される。
韓国の電力需要量について産業資源部は、今年の3530億8600万㌔㍗時から2010年には4166億2300億㌔㍗時に増大すると予想。年平均4・6%増の水準だ。増加率はその後2015年まで1・8%増に鈍化し、さらに2020年までは1・0%に下がると予想している。
2020年になれば、電力需要は4785億5500万㌔㍗時へと今年の1・4倍に増えることになる。このため、発電設備の拡充が急がれることになった。夏期の最大電力需要に照らし、発電設備能力は最低でも7181万㌔㍗が必要だ。発電予備力も考慮に入れて、今回の基本計画を樹立した。
計画によると、来年から13年間にかけて、①原子力発電所を新規に8基(960万㌔㍗)建設し、原発の総設備容量を28基(2732万㌔㍗)に増強する②石炭発電所は新規に14基(947万㌔㍗)建設し、計50基(2641万㌔㍗)に増強③LNG発電所は新規に17基(1025万㌔㍗)建設、計56基(2615万㌔㍗)に増強④その他石油発電所27万㌔㍗など509万㌔㍗増強となっている。
期間中に老朽化した石炭・石油・LNG発電所の設備570㌔㍗分が廃棄される。
今回の発電設備拡充計画の中で、設備比重が最も高くなるのは原子力発電所。2020年に全体の29%(現在27%)を占めることになる。次いで第2位の石炭発電所は微減の28%。LNG発電所は27・7%を占め第3位。この3種の発電所だけで全体の約85%を占める。石油発電所の比重は3%以下に低下する。
だが、特に原発建設に際して、地域住民の反発が予想され、対応が迫られる。また、総額29兆ウォンの建設費用捻出の電気料金の引き上げが予想され、論議を呼びそうだ。
産業資源部は、電力需給計画を2030年までの長期計画として確定、長期展望とエネルギー価格予測などをもとに国家の長期適正電源構想(電力需給ビジョン2030)を来年6月までに作成する方針だ。