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2006/10/20

<総合>サムスン電子・初の年間売上60兆ウォンへ

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 韓国のトップ企業、サムスン電子の経営実績が、第3四半期(7-9月)に半導体、携帯電話、LCDなど核心事業の好調で大きく改善した。今年に入って下降を続けていた売上高は史上2番目の15兆2200億ウォンを記録。営業利益も再び2兆ウォンに肉薄する1兆8500億ウォンに達した。四半期実績としては昨年第4四半期(10-12月)に迫る好業績だ。電子業界関係者によると、年末にかけて実績はさらに上向く見通しであり、初の年間売上高60兆ウォンを突破する完全なV字回復が期待できそうだ。

 第3四半期の売上高は、前期比12%増。販売は国内外とも好調で、史上最高を記録した昨年第4四半期(15兆5200億ウォン)に迫った。営業利益は好調だった前年同期よりは2800億ウォン少ないが、前期と比べ4300億ウォン増える回復ぶりだ。

 特に注目されるのは、純利益の急増。前期比45%増の2兆1900億ウォンを記録した。これは堅調な海外法人の持分法による営業外利益のおかげである。純益は3期連続して営業利益を上回っており、サムスン関係者は「これはサムスン電子が本当の意味でのグローバル企業として成長したことを意味する」として「海外法人は単純な製品販売から脱し、現地でR&D(研究開発)、生産、マーケティングなそして販売に至る完結した構造をもっているからだ。北米と欧州の地域本社は売上200億㌦の高地に立った」と説明した。

 海外ではサムスンブランドの地位を確立した携帯電話が他社と比べ高値でも良く売れており、欧州で爆発的なヒットを呼んだ平面テレビも絶好調だ。これが両輪となって海外法人の実績を大きく伸ばしている。
 
 半導体部門では、営業利益1兆2700億ウォン、売上4兆9100億ウォンを記録。これは、前期に比べて売上は11%増、営業利益は30%増である。営業利益が1兆ウォン台に回復したのは、2003年第2四半期(4-6月)以来3年ぶりのこと。

 好調の最大要因は、パソコンと携帯電話のメモリー需要の増加があげられている。特に9月から価格が大幅上昇したDRAM製品は、30%台の高い営業利益率を記録した。

 次に情報通信部門の売上は4兆7100億ウォン(前期比10%増)、営業利益は5200億ウォン(同29%増)を記録。特に、携帯電話事業が、上半期(1-6月)の不振を挽回した。第3四半期の携帯電話の販売台数は3070万台で、四半期基準で史上初の3000万台を突破した。サムスン関係者は、「世界の携帯電話市場が引き続き拡大しており、今年は18%成長が見込まれている」として、「今年の年間販売目標1億1500万台を上回る見通しだ」と語った。

 サムスン電子の稼ぎ頭のひとつLCDも、LCD用パネル価格の急落にもかかわらず健闘著しい。四半期実績で初の売上3兆ウォンを突破、営業利益も1600億ウォンを記録した。テレビ用パネル、モニター用パネル、パソコン用パネルとも2ケタの伸びを示したのが大きかった。

 また、デジタルテレビ、コンピューター、プリンターなどを販売するマルチメディア部門では、売上高1兆6400億ウォンと前期とほぼ同水準だった。だが、目を引いたのはLCDテレビが141万台(前期比15%増)、PDPテレビも同17%増の34万台を販売し、新たな稼ぎ頭に浮上した点だ。

 このような好調持続でサムスン電子の年間売上高は初の60兆ウォン突破が確実視されている。同社の売上高は2000年の34兆3000億ウォンから2004年に57兆4600億ウォンへと短期間で急増したが、その後足踏み状態だった。60兆ウォンの大台乗せを契機に、新たな「サムスン神話」が始まるのか注目される。