権五奎(クォン・オギュ)・副総理兼財政経済部長官は18日、就任一声で、「雇用創出を経済政策の最優先順位に置く」と述べ、「このために企業規制を画期的に改善する」と明らかにした。原油高騰、労使紛争激化など韓国経済を取り巻く環境は厳しい局面にある。社会の両極化は深刻化しており、若年層の就職待機組も数多い。新経済閣僚チームを率いる権副総理は雇用と規制緩和をまず打ち出したが、経済運営の舵取りが注目される。
新任の権副総理(54)が青瓦台(大統領府)政策室長から副総理兼財経部長官に指名されてからほぼ2週間。盧武鉉大統領から任命状を授与された18日、果川庁舎で行った財経部職員を前にした就任あいさつや記者会見などで、今後の経済運営に対する基本的な考えを明らかにするとともに閉鎖的とされる財経部改革を示唆した。
まず、「成長と分配の同時達成」という盧政権の基本方針実現のため、当面しては「雇用が再優先されなければならない」という考えを鮮明にした。その上で、「雇用というのは企業がつくるものなので、企業が自由に投資を増やすことができるように立ち後れた企業環境を改善する」と強調。「世界20―30位圏にとどまっている企業環境を先進国水準に改善するための具体的推進策を早期に提示する」と明らかにした。
企業に対して、規制緩和というインセンティブを与え、雇用を促進する路線だ。特に規制緩和の方法について、「過去の規制改革が経済部署中心につくられることにより、効果が不十分だった」とし、「関連機関、民間部門などすべてが参加する中で企業規制緩和策をつくる」と新たな方式を示したのが注目される。
権副総理はまた、「通貨危機以降、構造調整過程で両極化、非正規職、零細自営業者問題など中産層と市民層の厳しさが深化した」とし、「市場原理を幅広く導入しながら社会安全網を同時に追求する戦略を選択せざるを得ない」として、次のような4つの政策方向を示した。
①徹底したマクロ経済管理②雇用創出の努力倍増③民生経済安定に向けた根源的処方④韓米FTA(自由貿易協定)など開放拡大。
マクロ経済管理については、経済状況と財政執行に関する精密かつ体系的な診断が重要だと指摘、市場の信頼確保を強調した。金利政策の責任を負う中央銀行とマクロ経済状況に対する認識などについても言及した。
また景気に関しては、原油高や世界的な金利引き上げなどで景気が下向きとなるリスク要因を注視し、経済運営計画が滞りなく執行されるべきとの考えを示した。
雇用創出に関連し、サービス業の高付加価値化、地域革新などを推進する。民生経済安定については、非正規職、中小下請け企業、零細自営業など構造的にぜい弱な部分は短期間に解決できない問題だと指摘し、長い目で見た根本的な対策を策定する方針だ。さらに、開放化と国際化は避けられない世界史的変化だと述べ、韓米FTAもさらに踏み込んだ戦略を講じる考えを示した。
権副総理はまた、米国のセオドア・ルーズベルトの言葉を引用、「不幸や過誤に恋々とせず、過去と異なった未来をつくっていこうとするならば、新たな行動が要求される」と語った。このような言及は外換銀行売却過程で一部高位官僚の不正疑惑が発覚、国民の信頼を低下させたことを念頭においたもの。財経部の変化と革新は「逆らうことのできない時代的な要請」とまで述べており、今後の組織刷新を予告している。