年初からウォン高が急ピッチで進行しているが、5日のソウル外国為替市場で今年最高値をつけ、1997年末の通貨危機以来、初めて1㌦=950ウォンに突入した。1㌦=900ウォン=にまで進むとの予想も出ており、輸出企業にとっては打撃だ。そうした中、韓国銀行が来月にも金利引き上げの可能性を示唆しており、これも企業経営には気がかりだ。原油はすでに原油は1バレル=60㌦台に再び高騰しており、ウォン高、原油高騰、金利上昇は企業経営の3大伏兵となっている。
5日のソウル外国為替市場の対ドル相場は、前日比5・8ウォン高の1㌦=957・40ウォンで取引を終了した。対円相場も前日比2・25ウォン高の100円=820・20ウォンで引けた。
対ドルレートが950ウオン台に進入したのは、通貨危機直前の1997年10月28日(957・60ウォン)以来、8年6カ月ぶりのこと。韓国経済は、通貨危機を克服、景気回復の足取りがしっかりし始めており、ウォン高現象は継続するのは確実とみられている。
関係当局は急激なウォン高には介入を続ける考えだ。
一方、金利動向も上昇基調にあり、市場金利(国公債3年もの収益基準)は再び5%台に進入した。米国、EU(欧州連合)に加え、量的規制を緩和した日本の公的金利引き上げも時間の問題とされている。新任の李成太・韓銀総裁は、内外金利差や不動産問題を意識して金利引き上げを示唆しており、企業経営に追加の金利負担が生じると見て間違いない。
原油価格も再び上昇している。韓国石油公社によると、3日の中東ドバイ産スポット価格はバレルあたり61・89㌦を記録、前日より1・36㌦上がった。国内企業の原油導入単価は3月に初めて1バレル=60㌦を突破した。原油輸入額は昨年の月平均35億㌦だったのが今年は40億㌦を突破、2月は44億㌦に達した。
イラン核問題で国際政治状況が悪化すれば、原油価格がさらに上昇するのは必至だ。
専門家たちは、「ウォン高、原油高騰、金利上昇の3大変数の不安で企業の採算性が悪化すれば韓国経済が採算性悪化→投資不振→雇用不安→消費不振の悪循環に陥りかねない」と指摘している。
せっかく上向きだした景気に冷水をかける恐れが強いだけに、官民をあげた対策が急がれる。