ここから本文です

2006/03/02

<総合>韓国・超高層ビル建設計画が相次ぐ

  • sogo_060303.jpg

 ソウルをはじめ韓国全土で100階建て以上の超高層ビル建設計画が相次いでいる。まず、早くから構想があった112階(555㍍)建てのソウル蚕室「第2ロッテワールド」がスタートを切った。10年以上も棚上げ状態だったが、このほどソウル市の都市建築共同審議委員会がデザイン案を通過させた。これにより、空軍などの一部反発は残っているが、第2ロッテワールドの建設が事実上確定した。現在、韓国内には100階建て以上のビルの建設が6か所で推進されており、最高で151階建ての計画もある。

 超高層ビル建設計画はソウルで3カ所、釜山で2カ所、仁川で1カ所の建設が推進されている。100階以上のビルの建設が6カ所も同時に推進されている例は、ドバイにしかなく、世界的にも珍しい。現在、100階以上のビルは、米国に3つ、台湾に1つあるだけだ。

 韓国内の超高層ビルは現在、ソウル道谷洞の「タワーパレス」(69階・264メートル)。だが、早ければ2010年頃にも、この記録が更新される可能性が高い。100階建て以上の超高層ビル建設事業のほとんどがその頃に完工する目標だからだ。

 ソウル麻浦区上岩洞のデジタルメディアセンター(DMC)にも120-130階建てのランドマークビルが予定されている。ソウル市関係者は「現在3、4のコンソーシアム(連合体)が提案書を提出した。遅くても今年中に事業者選定を終え、来年着工する計画」と語った。ランドマークビルには金融・保険・証券会社やホテルなどが入る予定。

 韓国鉄道公社は、ソウル竜山駅の鉄道工事場の敷地(13万坪)に100階建て規模の超高層ビル建設計画について妥当性の検討作業を推進している。

 釜山ではロッテグループが、中央洞の以前の釜山市役所の敷地に「釜山第2ロッテワールド」(107階)を建設中で、現在基礎工事が行われている。2013年までにデパートやホテルなどが入る予定。

 昨年末、不動産開発業社のソロモングループが釜山BEXCOに土地約8000坪を購入し、110階建ての「ワールドビジネスセンター釜山」建設構想を発表した。仁川では今月初め、米開発業者のポートマングルームが、松都新都市に151階建てツインタワーを韓国企業と合弁で推進する計画だと明らかにした。

 100階以上の超高層ビルは、国力・技術力の象徴でもある。経済的な効果も無視できない。米国はシアーズタワー(108階・シカゴ)、エンパイアステートビル(102階・ニューヨーク)、ジョンハンコックセンター(100階・シカゴ)の3つがある。アラブ首長国連邦は、サムスン物産の建設部門が施工する「Burj Dubai」(160階)など、100階以上のビル建設が10余カ所で推進されている。

 申成雨・漢陽大教授は「韓国は40階以上の超高層ビルの数で世界4位にランクされている。70階以上のビルがないのがおかしいほどだ」と指摘。

 観光資原と経済的効果も無視できない。現在、国内で推進されている事業だけでも事業費が約1010兆ウォンにのぼるからだ。また、世界最高層ビルの台湾の「タイペイ01」のように観光名所としての機能も期待できる。地震のない韓国。超高層ビル建設ラッシュはどこまでも続くのだろうか。