懸案だった韓国人に対する日本のビザ(入国査証)が3月から恒久的に免除されることになった。麻生太郎外相は6日、「両国間の交流増進のため、昨年3月から時限付きで実施してきた韓国人の短期入国者に対するビザ免除措置を今年3月から無期限延長する」と発表した。日本政府の今回の決定を受け、韓国政府も相互主義の原則に基づき、日本人に対するビザ免除恒久化を来月から実施する。ノービザで韓日間の人的交流はさらに拡大し、韓日FTA(自由貿易協定)交渉再開へ向け刺激剤にもなりそうだ。
昨年3月の愛知万博を契機に、韓国人のノービザ入国は観光客に限り認められてきた。今年2月末に期限切れになるが、それを無期限延長する。アジアではブルネイ、シンガポール、香港、台湾に次いで5番目だ。対象となるのは観光、商用、乗り継ぎなど通過での入国で、滞在期間は90日間。留学や就業のためには別途にビザが必要だ。
韓国の旅行業界では早速、1泊2日の日本旅行商品などが開発されている。これまでビザ取得のための手続きや時間を計算すると、年間1億㌦の費用節減効果があるという。
日本側はこの間、韓国人の不法滞在者が多いという理由でビザ免除を渋っていた。全体不法滞在者の22%(4万3000人)が韓国人であり、毎月300人が新規にオーバースティ状態にあるという。ビザを免除すればその数が増えるという懸念だ。
しかし、この1年間のノービザ実績をみると、韓国人の犯罪率や不法滞在率は低いことが立証され、恒久的にノービザにしても大きな影響がないと判断された。
むしろ、肯定的な面の方が多い。韓日間の人的往来は、今後韓国人の来日増大で早期に500万人台に突入しそうだ(昨年は420万人)。経済的にも効果は大きい。両国間の貿易額は728億㌦(昨年)に達しており、商用で往来することの多いビジネスマンにとって、ノービザは大歓迎だ。
韓国財界は一様に歓迎しており、韓国貿易協会関係者は「民間交流が活性化し、韓日交易増進と韓日FTA推進にも大きく寄与すると期待される」と語った。外交通商部はスポークスマンの論評を発表、「人的・文化的交流を促進させ、韓国と日本の相互理解と親善を増進するきっかけになってほしい」と日本側の決定を歓迎した。
韓国側は93年の大田万博を契機に日本人観光客のビザを免除し、これを延長してきた。昨年からは滞在期間を3カ月に増やしたが、毎年の延長方式をとってきた。
両国は来月からノービザ時代にはいるが、今回のビザ免除は政治的な面が相当に考慮されたようだ。独島(竹島)・教科書問題、小泉首相の靖国神社参拝などで悪化する一方の韓日関係を改善するきっかけにしたいという思惑があるとされる。
一方、FTA交渉を控えている米国のビザ免除も早期に実現する可能性が出てきた。