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2007/06/15

<総合>韓国・粗鋼年産、初の5000万㌧突破へ

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    電気炉で生産された厚さ210㍉のスラブがベルトコンベアで運ばれるのを見守る現代製鉄マン

 韓国の粗鋼生産が今年、初めて年間5000万㌧を突破する見通しだ。韓国鉄鋼協会の発表によると、今年1―4月の粗鋼生産は前年同期比9・5%増の1700万6000㌧を記録しており、年末までには5014万㌧に達すると予想した。粗鋼生産は1997年に4000万㌧を突破して以来、7年ぶりの1000万㌧増強となる。粗鋼年産の世界ランクは5位をキープしており、今後2010年に完工する現代製鉄の高炉が稼働すれば、世界ランクアップの可能性もある。

 韓国で8日は「鉄の日」記念日。今年は8回目を迎える。この日、ソウルのポスコセンターには李亀沢・韓国鉄鋼協会会長(ポスコ会長)はじめ、現代製鉄、東国製鋼、現代ハイスコ、世亜製鋼など鉄鋼業界首脳陣ら300人が集まった。金栄柱・産業資源部長官も参加、韓国鉄鋼産業のさらなる発展を祝った。

 韓国の粗鋼年産は、1981年に初めて1000万㌧の大台乗せして以降、89年2000万㌧、93年3000万㌧、97年4000万㌧と着実に増大してきた。昨年は5000万㌧にあと一歩と迫る4993万㌧を記録、世界シェアを4%に拡大した。

 現在、世界の粗鋼生産規模は昨年基準で12億3950万㌧。1位が中国の4億1880万㌧で、次いで日本(1億1620万㌧)、米国(9850万㌧)、ロシア(7060万㌧)、韓国(4993万㌧)、ドイツ(4720万㌧)の順。韓国は2002年からドイツを抜いて5位の座にある。1人当たりの生産量では、韓国が世界一となる。

 韓国鉄鋼業の飛躍は、ポスコの存在抜きには語れない。韓国初の一貫総合製鉄所として71年の稼働以来、設備拡張を重ね、韓国の粗鋼生産能力を世界水準に引き上げた。特に、2000年10月に産業銀行が持ち株を売却して完全民営化が実現からは海外戦略を本格的に推進、中国、インド、ベトナムなどに工場進出、ポスコ1社で粗鋼年産5000万㌧突破をめざすグローバル企業に成長している。

 ポスコはまた、高炉に代わる次世代製鉄工法「ファイネクス」を適用した粗鋼年産150万㌧の新工場を稼働させるなど技術革新でも世界をリードしている。

 ポスコだけではない。一貫総合製鉄所の建設に着手した現代製鉄所は最近、電気炉で自動車用高級鋼をつくれる大型スラブ生産工場稼動に成功した。特殊鋼業界も今年は特に設備投資が相次いでいる。

 一方、韓国鉄鋼協会は、今年の韓国の鉄鋼材総需要は輸出用を含めて7000万㌧に達するとみている。これは04年の6000万㌧を大きく上回るもので、鉄鋼業界の活況ぶりを示すものだ。

 韓国は鉄鋼と「産業のコメ」と言われる鉄鋼と半導体で世界水準の規模にあり、これが経済発展の原動力になっている。粗鋼年産5000万㌧突破は、そのことを改めて強く印象づけるものであろう。

 ◆粗鋼生産 高炉で生産されて加工されていない鋼鉄。その後の工程で板材や棒などに加工される。企業や国の鋼鉄生産能力を示すのに用いられ、産業力の目安になる。