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2007/11/02

<総合>随所に「韓国経済の光と影」・貿易協会が世界比較報告

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 世界の中で韓国経済はどれだけの位置を占めているのだろうか。その回答の一つとして、韓国貿易協会は、「208の経済・貿易・社会指標でみる韓国の経済的位相」をまとめた。韓国の経済規模はGDP(国内総生産)世界13位、貿易規模は世界12位と上位圏にあり、船舶建造、メモリー半導体生産とも世界1と世界トップ水準の産業も少なくないと評価する一方、エネルギー資源の海外過依存、反ダンピング提訴を受けすぎている点などをあげ、経済規模に比べ質的な面では不十分だと指摘している。「韓国経済の光と影」を韓国貿易協会の分析を中心に見てみよう。

 報告書によると、韓国の経済的規模の拡大はさまざまな指標に現れている。まずGDPは、昨年基準で8874億㌦に達した。これは世界13位の水準だ。今年は9692億㌦に達し、世界順位もワンランク上がる見込みだ。貿易規模は昨年6349億㌦を記録、世界12位。輸出は3255億㌦で世界11位。

 このような経済成長は、さまざまな産業により牽引された。特に2000年代に入っては船舶とメモリー半導体、液晶が世界トップの座にある。造船に至っては、受注量、建造量ともに世界1でライバルの日本を完全に追い抜いた。

 一国の産業発展に欠かせない自動車と鉄鋼生産はともに世界5位。超高速インターネットの利用者率は29・1%に達し、デンマーク、オランダ、アイスランドに次ぐ世界4位だ。

 このように数々の世界記録を打ち立てているが、経済社会内部に踏み込むと、課題は少なくない。まず教育費支出は6410㌦に達し世界20位。私教育費に限ってみればはるかに高く、OECD(経済協力開発機構)加盟国中1位だ。GDP比で2・9%に達し、2位米国の2・3%を大きく上回っている。

 教育費支出が大きいにもかかわらず、第2外国語としての英語実力テストのTOFEL平均点数は218点で世界77位と低い。韓国のビジネスマンは英語ができる人が多いとされるが、世界的にみるとまだ不十分であることを見せつけた。

 また、エネルギー資源を海外に依存しているため、原油輸入量は426億㌦で世界5位を記録。エネルギー問題は韓国経済のアキレス腱となっている。一方で、スコッチ輸入額が世界4位を記録、高級品志向の強さを窺わせた。海外から反ダンピング提訴を多く受けているのも問題だ。全世界で発生した件数の5・2%が韓国に対してであり、これは世界5位の不名誉な記録だ。

 スイス国際経営院(IMD)の国際競争力順位は29位、国連人間開発指数(HDI)26位、国連女性開発指数(GDI)26位、国際透明性機構の透明性指数は34位と経済規模に比べ相対的に低水準だ。貿易協会は、「都市生計費世界3位、外国人投資世界27位、経済自由度32位など投資環境指標は依然として不十分だ」と指摘、対策が急がれるとしている。