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2007/06/08

<総合>アジアの情報格差を解消

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          第6回ACD外相会合であいさつする韓悳洙総理

 韓日中、ASEAN、ロシア、インド、中央アジア3カ国、中東7カ国など30カ国の外相や閣僚級代表が参加して4日からソウルで開かれていた第6回アジア協力対話(ACD)外相会合が5日、「ソウルIT宣言」を採択し閉幕した。今回のソウル宣言は特に、広大なアジア地域内のデジタルデバイス(情報格差)解消やIT途上国への支援強化に力点を置いたものとなっている。

 「ソウルIT宣言」は、①加盟国の情報技術(IT)インフラの整備・発展を支援する努力の加速化②加盟国間の共同IT研究や調査プロジェクト支援③域内のIT交流と投資促進・IT親和的な環境作り④アジア諸国間の情報格差解消案の模索⑤IT関連の弊害に対応するための加盟国間の協力強化――などを盛り込んでいる。

 議長を務めた宋旻淳・外交通商部長官は閉幕式後の記者会見で、満場一致で採択された「ソウルIT宣言」について「域内情報格差の解消を目指すものだ」と説明。「IT関連の基礎的インフラ構築に向け努力を強化することが、格差解消の第1歩だとの見方で一致した」と明らかにした。

 外交通商部によると、今回のソウルIT先進国の韓国が主導して採択した。盧武鉉大統領も各国代表を招いての夕食会で、「21世紀の情報化社会では科学技術が急速に発展しているが、国や地域によって発展の度合いがアンバランスで、恩恵を受けられない地域や階層が生まれている」と指摘、ソウルIT宣言の採択を高く評価した。 

 会合に参加したアジア30カ国の外相や閣僚級代表は、2010年までにACD高位研究グループを構成することでも合意した。グループは1年に2―3回会議を開き、ACDの方向性を話し合う予定だ。

 参加国はまた、IT協力事業を含めた19のACD協力事業の進展状況の点検、ACDへの加盟基準設定、北朝鮮核問題、エネルギー安全保障などについても意見交換。

 外交通商部によると、韓国政府はこの会合に参加したエネルギー資源大国のサウジアラビアなど中東7カ国やロシア、カザフスタンなど中央アジア3カ国との外交強化にも力を注いだという。

 また、韓国政府は2012年の麗水万国博と2014年平昌冬季五輪を誘致できるように各国政府に支持を求めた。

 ACDは2000年にアジア地域の協力達成を目指し結成された。韓国・日本・中国をはじめ、東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟10カ国やインド、パキスタン、スリランカなど30カ国が加盟している。来年の第7回会議はカザフスタンで開催される。