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2007/05/18

<総合>半世紀超え・南北鉄道が試運転

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             汶山駅から出発する京義線列車

 2つの南北鉄道が再連結され、韓国からの列車と北朝鮮からの列車が17日、休戦ラインを越えた。韓国側はこの日、京義線の汶山(ムンサン)駅で、「南北鉄道連結区間列車試運転」行事を行い、午前11時28分ごろに北側の開城駅へと走った。同じ頃、北朝鮮側も東海線の金剛山駅で同様の行事を終え、南側の猪津駅へと向かった。半世紀を超えた歴史的な瞬間だ。

 南北を分ける軍事境界線(MDL)を越えて列車が行き来するのは、京義線が韓国戦争最中の1951年6月12日以来56年ぶりのこと。東海線は1950年以来57年ぶりだ。

 京義線列車がMDLを通過したのは12時18分ごろ。東海線列車は数分遅れの12時21分ごろ。

 ディーゼル機関車と4両編成の客車からなる京義線列車は、李在禎・統一部長官ら韓国側関係者100人、権虎雄・内閣責任参事ら北朝鮮側関係者50人を乗せて運行。北側から出発する東海線列車には韓国側から李庸燮・建設交通部長官ら100人、北朝鮮側からは金ヨンサム鉄道部長官ら50人が搭乗した。

 京義線列車は汶山駅を出発、都羅山駅で税関・通行検査を受けてMDLを通過した後、板門駅を経て開城駅に到着。東海線列車は金剛山駅を出発、鑑湖駅で税関・通行検査を受けて猪津駅に到着した。運行区間は京義線が27・3㌔、東海線が25・5㌔。双方の列車とも到着駅での歓迎式などの行事の後、再びMDLを越えて戻ってきた。

 盧武鉉大統領は、今回の京義線・東海線列車の試運転について、「国と民族の未来に向け大きな一歩を踏み出す歴史的な事件」と述べ、韓半島の平和と安定に向け一歩前進するきっかけになるとの考えを示した。

 李統一部長官は、「今回の試運転が終われば、南北間で部分的・段階的な鉄道開通と運行を推進することになる」と正式開通への意欲を示し、「再開通された南北鉄道は最大資源保有国のロシアと巨大市場の中国を連結し、わが国経済に新たなチャンスを提供するだろう」と期待を表明。

 シベリア横断鉄道、中国横断鉄道との連結を語ったものだが、これはやや長期的な課題だ。