現代・起亜自動車が東欧に生産工場を構え、本格的な欧州攻略に乗り出した。起亜自動車は24日、スロバキア北東部のジリナでスロバキア工場の完工記念式を開催した。年産30万台規模の欧州初の現地生産工場だ。また翌日25日にはチェコのノショビツェで年産30万台規模の工場を着工した。
式には現代自動車グループの鄭夢九会長、起亜自動車の鄭義宣社長、スロバキアのフィツォ首相をはじめ、両国の閣僚や財界関係者1500人余りが出席した。
鄭会長は祝辞を通じ「スロバキア工場の稼動で、起亜自動車がグローバル経営の第一歩を踏み出すこととなった」と述べ、高い生産性とたゆまぬ経営革新で、稼動初年から黒字を出していくと意気込みを語った。フィツォ首相は工場完工を祝い、欧州で起亜自動車が成功し発展していけるよう、スロバキア政府と国民は支援を惜しまないと述べた。
10億ユーロが投じられたスロバキア工場では、起亜自動車の欧州戦略モデル「シード」や小型多目的スポーツ車(SUV)などを中心に、年間30万台を生産する。
現代・起亜自動車は、25日にはチェコ北東部ノショビツェで年産30万台規模の現代自動車工場の着工式も開催。この工場が完成すれば、現代・起亜自動車は自動車販売で最大激戦区となる欧州市場で年間60万台の生産体制を備えることになる。
現代・起亜自動車は昨年、欧州に71万台を輸出した。今年は80万6000台に増やし、2010年には輸出122万台を達成、欧州市場でのシェアを昨年の3・3%から5・3%に拡大する目標を掲げている。
スロバキア工場完成受けフィツォ首相は、「起亜自スロバキア工場はスロバキア経済発展の強固な足がかりとなる」と評価した。同工場が両国間経済協力の拡大と民間レベルでの友好増進の先駆けとなるよう、最大限の支援と協力を惜しまないと約束した。
このほか鄭会長とフィツォ首相は、両国自動車産業育成と相互経済協力強化案をはじめ、現代・起亜自グループとスロバキア政府の発展案についても意見を交わした。