盧武鉉大統領30日、サウジアラビア、クウェート、カタールの中東3カ国歴訪を終え帰国する。盧大統領は3カ国元首と首脳会談を行い、①原油やLNG(液化天然ガス)などのエネルギーの安定供給②韓国企業の大規模プロジェクト参加③IT(情報技術)協力④韓国の経済開発経験の共有――など多分野で協力を強化することで合意。今後はパートナー関係に発展させることにした。今回の中東歴訪には崔泰源SK会長をはじめ李潤雨・サムスン電子副会長、朴容晩・斗山副会長、辛東彬・ロッテ副会長、崔在国・現代自動車社長ら財界関係者200人が同行、活発な経済交流を展開した。
最初のサウジアラビアで盧大統領は24日、アブドゥッラー国王と首脳会談し、エネルギーと建設・プラント分野をはじめ、教育、IT、文化など幅広い分野での協力を拡大し、両国の関係を包括的で互恵的なパートナー関係に発展させることで合意した。
サウジとの首脳会談は、62年の国交樹立以来初めて。会談では、原油供給とエネルギー産業投資に関する協力を強化する一方、サウジのニュータウン建設プロジェクトや国家情報化産業などに韓国企業が参画し、両国間の貿易・投資を拡大することに合意した。また、韓国の開発経験をサウジアと共有することでも一致した。
次の訪問国クウェートでは、サバーハ首長と首脳会談を行い、今後は幅広い分野で協力を強化し、両国関係を包括的、未来志向的なパートナー関係に発展させることに合意。高官級の共同委員会を定例化することを決めた。同国とは79年に国交樹立。
サバーハ首長はクウェートの発展戦略モデルとして、韓国の経済発展の経験に関心を示した。盧大統領は、韓国の経験をクウェートと共有し、人材養成プログラムの共同開発を積極的に支援する用意があると述べた。
盧武鉉大統領はまた、クウェートの商工会議所で開かれたビジネスフォーラムで演説、韓国と湾岸協力会議(GCC)の間でFTA(自由貿易協定)が推進されれば、韓国とクウェート間の貿易や投資にさらに弾みがつくとの見解を示した。サウジの国政助言機関である諮問評議会でも同様のことを述べた。
GCC加盟国はサウジ、クウェート、カタール、オマーン、アラブ首長国連邦、バーレーンの湾岸6カ国が加盟する地域協力体。GCC加盟国から原油の68%、LNGの47%を輸入している韓国にとって、湾岸諸国との協力強化は大きな成果だ。
最後の訪問国カタールで盧大統領は27日、ハマド首長と首脳会談を行い、両国間の共同関心分野で包括的かつ全面的なパートナーシップ関係を構築することで合意し、両国共同委員会を閣僚級に格上げした。
両首脳は特に、エネルギー、建設・プラント分野のほか、IT、教育、医療分野での友好協力関係を拡大していく方針を固めた。盧大統領は韓国企業のカタール進出が拡大されるよう、ハマド首長の格別の関心と協力を求めた。これに対しハマド首長は、カタールのアジア進出拠点として、韓国への投資拡大と諸分野で協力する考えを示した。 韓国大統領のカタール訪問は、74年の国交樹立後初めて。
盧大統領は、翌28日にはドーハ市内で両国経済関係者の懇談会に出席、建設、プラント、産業団地分野でも協力の成功ケースを数多く生み出せるとの見通しを示した。