4月9日に投開票される第18代国会議員総選挙の候補登録が26日締め切られ、27日から公式選挙運動がスタートした。中央選挙管理委員会によると、過去最多の17政党から1309人が立候補、競争率は4・4倍となった(地域区の競争率は4・6倍)。今回の総選挙で、与党・ハンナラ党は新政権の「経済再生」と「実用路線」推進へ向け過半数の議席獲得をめざしている。一方の最大野党・統合民主党は中央・地方政府と地方議会を掌握した巨大与党をけん制するため、憲法改正を阻止できる100議席を確保したい考えだ。ハンナラが過半数を確保できるかどうかは、李明博新政権の安定運営に直結するだけに、今選挙戦の最大焦点だ。
韓国の国会議員定数は299。全国245の地域区に1119人、比例代表(54議席)には190人が立候補した。
政権交代からわずか4カ月後の総選挙。この間閣僚指名のミスなどから李大統領の支持率が低下、野党は攻勢をかけており、与野党の激突が予想される。
政党別の候補者数をみると、ハンナラ党と平和統一家庭党が245全地域国候補を立て最多。次いで統合民主党197人、民主労働党103人、自由先進党94人、親朴連帯(ハンナラ党から離党した朴槿恵議員系)53人、進歩新党34人、創造韓国党12人などの順となっている。
市・道別では、6人を選ぶ大田市に32人が登録、5・3倍と最も高い競争率だ。女性候補は132人で11・8%を占め、年齢別では40代が439人(39・2%)で最も多かった。40代以下の立候補者が過半の52・4%を占めた。
各候補は、27日午前零時から来月9日の午前零時まで13日間の選挙運動に突入したが、李大統領の指示により中央選管は違法選挙運動に対する取り締まりを大幅に強化している。これに呼応するかのように、ハンナラ党や統合民主党など与野主要5党の政策委員会議長・委員長らは26日、公明選挙実践市民運動競技会主宰の公明選挙誓約式に参加、「国民に希望とビジョンを提示する政策中心の総選挙を公明正大に行う」誓約した。
各党の公約をみると、各党とも庶民生活の安定に力点を置いたものとなっている。
ハンナラ党は石油価格、通信費、高速道路通行料、私教育費、保育費、薬剤費の6つの生活関連費の節減など民生経済の安定対策を含む250の公約を発表した。だが、李大統領の公約だった大運河構想と英語公教育強化は含まれていない。強まりつつある世論の反発を回避する狙いがありそうだ。同党の姜在渉代表は総選挙で過半数を獲得できなければ代表から辞任すると背水の陣で臨んでいる。
一方の統合民主党は、石油税の10%追加引き下げなど物価安定政策を含む30の主要政策と300の分野別政策を発表。「平和と繁栄が共存する韓半島時代」を掲げた。孫鶴圭共同代表は、党の命運を賭けて闘うとして、「大運河構想の阻止に全力をあげる」と主張。
このほかに、▽自由先進党は「1党による国政運営の独走を防ぎ、経済成長を促し庶民生活を安定させ、努力した人が報われ好待遇を受ける社会を築いていく」▽民主労働党は「1%の財閥政権による災いを食い止め、99%の庶民に向け民生政党・政策政党としての役割を果たす」▽創造韓国党は「大学改革、大学授業料の上限制と無利子融資を保障し、高齢者の8割に約20万ウォンの基礎年金を支給する」などの公約を掲げている。