米国発金融危機の影響が韓国の大黒柱である輸出を直撃した。知識経済部によると、11月の輸出実績は前年同期比18・3%減の292億6200万㌦と300億㌦を割った。輸出が2ケタの大幅マイナスとなったのは通貨危機以来で、船舶を除くほぼ全品目で減少した。地域別でも中東を除く全地域でマイナスとなった。米ITバブル崩壊以来の落ち込みだ。輸入もまた、前年同期比14・6%減の289億6000万を記録、輸出入とも減少する「貿易縮小」を鮮明にした。
輸出戦線が危機に直面している。今年に入って9月までは20%増を超える快進撃を続けていたが、10月に8・5%に落ち込み、11月にはついにマイナスに転落した。
輸出の中身を見るとさらに深刻だ。韓国の輸出の7割を占める13大輸出品のうち、半導体、自動車、家電、石油化学など主力輸出品が軒並み大幅な減少となっている。コンピューターは50%を超える激減ぶりだ。唯一、船舶輸出が34・7%の伸びをみせたが、これは既存の受注残高が多いためで、現在の状況にそれほど影響を受けない例外と見なければならない。
品目だけでなく、地域向けも全滅に近い。唯一中東地域向けが30・6%増えただけだ。特に深刻なのは、韓国の輸出の5分の1を占める対中輸出が27・9%減と大幅に落ち込んでいる点だ。実際、中国の輸出前線基地が密集している広東省向けの部品などの輸出が急減している。
李允鎬・知識経済部長官は、「主要輸出品の製品単価下落、世界的な消費減少、設備投資縮小などが複合的に輸出に打撃を与えている」と指摘、今後さらに厳しくなると見ている。
輸出業界関係者は、「輸出景気は予想できないほど悪化している。先行きは全く見えない。これまでのように輸出目標を出すこと自体が意味のない状況」と嘆いている。打開策はあるのか。
中東をはじめ、インド、アフリカなど金融危機の影響が比較的少ない地域向けへの市場開拓の余地はある。また、日本製品との競合が多い東南アジアでは、円高・ウォン安効果をもっと積極的に活用すべきだろう。輸出業者に対する金融支援もこういうときこそ必要となる。
問われるのはやはり、開発力であり、今年の「貿易の日」で褒賞されたサンテックの例がある。雨や雪が降った際に自動車のサイドミラーの結露が生じることを防ぐ電熱ヒーターのメーカーだ。この製品だけで年間3000万㌦を輸出し、世界シェアは60%に達する。創意と工夫で成功した中小企業だ。
王道は一つである。何よりも生産性を高め、競争国より良質の製品を安く生産することに尽きる。これまでの韓国輸出の高度化はそれを実証してきた。