李明博新政権の今年度経済運用計画が決まった。企画財政部は10日、京畿道・果川の政府総合庁舎で開かれた李大統領主宰の業務報告で、今年度経済のマクロ指標について、①経済成長率は6%前後②新規の雇用創出を35万人に増やし③物価上昇率を3・3%で抑え④経常収支を70億㌦前後の赤字で管理する――との基本方向を発表した。内外とも厳しい経済環境の中で6%前後の成長率を達成するための手段として、法人税3%引き下げ、大規模企業集団に課している出資総額制限制度の廃止など減税と規制緩和を柱とした攻撃的な政策を進めるとして、具体的な推進日程を提示した。
6%前後の成長率と35万人の雇用創出は、新政権の当初公約だった年平均7%成長と新規雇用60万人を大きく下回る。しかし成長率の場合、年初に旧政権の財政経済部が示した4・8%を上回り、雇用創出目標も昨年の実績28万人より多い。しかし、成長率の見直しについては、「6%」ではなく、「6%前後」とすることで目標達成が容易でないことを暗示した。
このような目標を達成するため、投資や消費など内需を拡充し、規制と税率を最低限に抑える方策をとった。また、R&D(研究開発)投資の拡大と新成長産業の発掘に力を入れ、長期的な成長を誘導するとしている。
今回の経済運用計画で最も注目を引く政策は法人税の減税であり、それも今年度所得分から適用するという迅速さだ。
具体的にみると、課税標準1億ウォン超過を対象に適用している現行25%の法人税最高税率を今年8月納付分(12月決算法人適用)から22%に引き下げ、2012年所得分からはさらに20%に引き下げるというもの。同様に、課税標準1億ウォン以下は、現行税率13%から今年は11%、12年からは10%に引き下げる。また、今年分から課税標準区分を2億ウォン超と2億ウォン以下に変更する。さらに、中小企業の最低税率も10%から8%に引き下げる。
このような法人税の減税政策で今年1兆8000億の減税効果が発生する。政府は、今後5年間では8兆6000億ウォンの減税効果があるとみている。減税による財源不足に対処するため、国家予算を10%削減し、歳計剰余金4兆8000億ウォンを減税財源に使う計画だ。
一方、規制改革をみると、資産10兆ウォン以上の企業集団に属する会社の中で、資産規模が2兆ウォンを超える企業に適用される出資総額制限制度を上半期中に廃止する。恩恵を受けるのは、サムスン、現代自動車、LG、ロッテなど7大企業集団の25社。
また、農地と山地などの土地利用規制も緩和される。この他に海外不動産投資金額の限度撤廃、外国人学校設立規制の緩和、持株会社に対する負債比率制限の廃止などを年内までに実施する。