政府は11日、公企業先進化推進委員会を開き、319の公企業のうち第1段階として41機関を選定、①民営化(27社)②統廃合(2社)③機能調整(12社)する方針を決めた。来月までに第2次、第3次対象を選定・発表する予定であり、最終的には100社前後になりそうだ。今回の公企業改革は、民営化や統廃合、組織・人員の構造調整を通じて経営の効率化を図ることに目的があり、李明博政権が掲げる行政改革の核心となるものだが、労組などから「行革反対」の声があがる一方、「対象の規模と強度が不十分だ」という指摘もなされている。
今回の第1次対象をみると、民営化対象は27社で、当初予定の60社から大幅に減っている。これは、米牛肉輸入問題で国民の批判を受け、政権の求心力が低下していることを考慮、反発の大きい対象を外さざるを得なかったようだ。
対象になった27社のうち、公的資金が投入された大宇造船海洋など14社はもともと民間企業だった。産業銀行など金融機関7社もすでに民営化方針が決まっており、今回新たに民営化に含まれたのは韓国資産信託など規模があまり大きくない5社にすぎない。それゆえ、専門家の間では「一番肝心な第1次選定でこの程度では歴代政権同様に李政権の行政改革も竜頭蛇尾に終わる可能性が高い」という否定的見方が多い。
だが、公的資金投入14社に対しては、「速やかな売却」を打ち出しており、今後M&A(企業の吸収・合併)市場に「爆風」が吹きそうだ。というのも、対象となった大宇造船海洋、ハイニックス、大宇インターナショナル、現代建設、韓国航空宇宙産業はいずれも業界を代表するビッグ企業であり、この間業績も回復している超大型優良企業であるからだ。
また、民営化対象になった金融機関7社については、産業銀行が来年初に持ち株会社を設立し、10年までに持ち株49%を売却する計画だ。中小企業銀行も来年から株式売却を始める。
一方、今回唯一の統廃合対象になる大韓住宅公社と韓国土地公社は来年統合、11年地方移転の方針が決まっている。実現すれば、単純合計で資産規模84兆ウォン、売上高13兆ウォン、従業員7000人の巨大企業になる。この統廃合に関しては評価する向きが多い。
一方、構造調整対象には韓国観光公社などが選定されたが、この中で特に注目すべきは韓国石油公社と大韓鉱業振興公社の2社。韓国石油公社は世界60位(現在93位)の製油企業に育て、大韓鉱業振興公社は韓国鉱物資源公社に名称を変更、法定出資金規模を3兆ウォンに増やし、直接投資中心の鉱物資源開発に衣替えさせる。
第3次対象発表を待って公企業改革の全体像が判明するが、今後の進展に海外投資家も強い関心を寄せている。
◆第1次 公企業先進化対象機関 (資料:企画財政部)◆
【民営化(27)】
●新たに選定された民営化対象(5社)
ニューソウルカントリークラブ、韓国資産信託、韓国土地信託、慶北観光開発公社、建設管理公社
●公的資金投入企業(14社)
ウリ金融持株、ソウル保証保険、大宇証券、大宇インターナショナル、大宇エレクトロニクス、大宇造船海洋、現代建設、現代総合商事、双竜洋灰、双竜建設、ハイニックス、韓国航空宇宙産業、パンテック、パンテック&キュリテル
●金融公企業(7社)
産業銀行、産銀キャピタル、産銀資産運用、中小企業銀行、企銀キャピタル、企銀信用情報、IBKシステム
●持ち分売却(1社)
仁川国際空港公社 → 持ち分49%を民間に売却
【統廃合(2)】
●大韓住宅公社・韓国土地公社
【構造調整(12)】
●非核心業務の民間移譲
韓国観光公社、国民体育振興公団、韓国電気安全公団、韓国石油公社、大韓鉱業振興公社
●政府出資金の漸進的廃止
産業技術試験院
●機能調整
国民年金公団・勤労福祉公団・健康保険公団 → 徴収業務の一元化
KOTRA・中小企業振興公団・情報通信国際協力振興院 → 重複機能調整