李明博大統領とブッシュ米大統領は6日、青瓦台(大統領府)で会談し、遅延している韓米FTA(自由貿易協定)の早期批准を再確認した。また、韓米同盟関係を安保以外に政治・経済・社会・文化など多分野に拡大強化し、航空・宇宙など先端分野での協力強化に合意した。北朝鮮核問題については、廃棄へ向けて連携を強化すると共に、人権状況の意味ある改善を促した。両首脳は会談後、このような内容を盛った共同声明を発表した。
首脳会談は1時間10分にわたり終始和やかな雰囲気で行われ、会談後の記者会見でも笑顔でジョークを飛ばしたり肩を組むなど牛肉問題でぎくしゃくした2国間関係の亀裂修復を演出した。
李大統領が就任して今回が3度目の韓米首脳会談。すっかり意気投合したトップ同士の間柄も会談をスムーズに運んだようだが、懸案に対する踏み込んだ論議はなく、4月のキャンプデービッド会談で合意した新構想「韓米同盟未来ビジョン」の発表も見送られた。韓国内の微妙な対米感情を考慮したようだ。
韓米FTA批准問題について、両国首脳は、「可能な限り早期批准に努力する」ことを確認。李大統領は共同記者会見で「お互いの任期中、また年内に批准できるよう最善を尽くすと約束した」と語った。だが、ブッシュ大統領の任期中に批准を果たすには5カ月間も残っていない。
会談ではまた、北朝鮮の人権問題に関連し、「対北関係の正常化過程で意味ある人権状況改善の進展がなければならない」ことで意見一致。韓米首脳が共同声明で北朝鮮の人権改善に言及するのはこれが初めて。北当局の人権改善努力が今後の朝米関係正常化の重要な基準となりそうだ。
またブッシュ大統領は、金剛山での韓国人観光客射殺事件に遺憾と弔意を示し「事件の早期解決とこうした悲劇の再発防止に向け、北朝鮮は南北当局間対話に応じるべき」だと述べた。つづけて北朝鮮のテロ支援国指定解除の時期について「11日に最初の機会が訪れるが、そのためには北朝鮮指導部が行動を取らなければならない」と述べ、6カ国協議の約束履行を促した。
アフガニスタン派兵問題に関して李大統領は「会談中にアフガニスタン派兵に関する論議はなかった」と述べ、ブッシュ大統領も「唯一言及したのは非軍事的支援について」とし、派兵問題は議題に上がらなかったことを確認した。
両首脳はこのほかに①北朝鮮核計画申告書の完全性と正確性確保に向けた徹底した検証体系の樹立②北朝鮮の非核化第3段階措置を通じた核兵器・核計画の完全放棄の履行③世界的な気候変動の挑戦に対応するための共同努力④テロリズム、大量破壊兵器、超国家的犯罪、エネルギー安保脅威への対処に向けた緊密な協議――などに合意。さらに、民間宇宙探査と宇宙科学、原子力の平和利用分野での緊密な協力、大学生研修・就業プログラム(WEST)新設、韓国人の米国ビザ免除プログラム年内適用などを進めることも決めた。