企画財政部、国土海洋部、知識経済部、行政安全部の4部署と国家均衡発展委員会は21日、李明博大統領主宰で開かれた地域発展政策推進戦略報告会議で、地域発展政策推進の方向性を発表した。それによると、全国を4つの超広域開発圏と7つの広域経済圏、162の市・郡単位の基礎生活圏に分けて多元的に開発する。特に、前政権の革新都市・企業都市開発の骨格は維持するが、地方に移転する企業・大学に対しては、該当地域の土地収用権・都市開発権を付与するなどインセンティブを強化し、公企業の民営化は地方移転を条件にすることも打ち出した。このほかに法人税減免期間の延長など税制・財政などの政策手段も動員して地方移転策を強化しているのが特徴だ。
李大統領はこの会議で、「地域発展戦略の世界的な流れは広域化にあり、広域化がされてこそ国際競争力をもつことができる。我々も小行政区域単位の発展戦略から抜け出し、広域的発展戦略を追求しなければならない」と強調した。開発地域を広域化することで、成長潜在力を極大化しようという考えだ。
計画では、全国土を南海岸、西海岸、東海岸、南北交流接境の4ベルトに分け、国家競争力次元で開発する。南海岸ベルトは環太平洋時代をにらみ、西海岸ベルトは黄海時代に備えたものであり、東海岸ベルトはエネルギー確保のため、南北交流接境ベルトは開城工業団地をはじめ対北経済協力の拠点として育成する。この超広域開発構想は、地方自治体間の重複投資を防ぎ、地域間の共同事業で相乗効果をあげようというものだ。
この中で、環黄海忠圏の中軸として、忠北の新万金(セマングム)干拓地を「東北アジアのドバイ」として発展させるため、事業期間を10年操り上げ、2020年までに竣工させることを決めた。年内に全体の事業構想を確定する。大運河計画の推進が困難になった代わりに新万金で早期に成果をあげようとしたものとみられる。そのため、大統領直属の推進機構を設置することも検討している。
また、首都圏、忠清圏、湖南圏、大慶圏(大邱・慶北)、東南圏(慶南中心)に江原道、済州を含め5+2広域経済圏として開発する。首都圏と競争できる人口500万人の大都市を中心とする自立型経済圏をめざす。また、忠清南道の燕岐・公州に建設中の行政中心複合都市は、先端企業、研究所、優秀な大学などを誘致するため、土地を廉価で提供し、移転企業には該当地域に対する開発権も付与する。
広域経済圏内外の円滑な交流へ向け、首都圏や釜山、大邱、光州郊外周辺の循環高速道路、ソウル~平沢間の高速鉄道なども建設する。また、首都圏と江原圏を結ぶ高速化鉄道も検討する。
一方、江原道・原州など10地域が選定させた革新都市は地域別テーマを持った未来型の先端都市として建設する。その促進剤として、移転対象となる公企業に対して、革新都市への移転を民営化の条件にした。また、産業用地は造成原価より廉価で供給し、産学研クラスター用地の一部は、賃貸産業団地として造成する。