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2008/07/18

<総合>韓国独自の「人工太陽」・プラズマ発生に成功

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             プラズマが発生した核融合研究装置の内部

 韓国の次世代超伝導核融合研究装置「KSTAR」(ケースター)が初のプラズマ発生に成功し、未来の無限クリーンエネルギー「人工太陽」の開発に向け大きな一歩を踏み出した。教育科学技術部と国家核融合研究所が15日発表した。超伝導線材として広くもちいられているニオブ3スズ合金を材料に使用した核融合研究装置としては、世界で初めての実験成功だ。

 発表によると、大田市・大徳研究団地にある国家核融合研究所で今年6月、KSTARが初のプラズマ発生に成功、青い光を放った。

 核融合装置は、太陽が光を発する原理である核融合反応を地上で人工的に起こしエネルギーを得る装置で「人工太陽」とも呼ばれる。核融合エネルギーは海水に多く含まれる重水素と土から容易に抽出できるリチウムを原料とし、温室効果ガスや高レベル放射性廃棄物なども排出しない。未来のクリーンエネルギーとして注目されている。

 KSTARは1995年12月から3090億ウォンを投じて開発が進められ、昨年9月に完成した。その後、真空試運転と超伝導現象の誘導のために温度を零下268度にまで下げる極低温冷却試運転、超伝導磁石試運転など4段階に分けて試運転を実施してきた。

 研究陣はKSTARのプラズマ発生の試運転を6月から開始し、最高プラズマ電流133㌔アンペアと100㌔アンペア以上のプラズマ持続時間249㍉秒(1㍉秒は1000分の1秒)、摂氏200万度を達成することに成功。

 核融合が商業発電に連結するには太陽のように1億度以上のプラズマ状態を継続維持しなければならない。今後、KSTARは核融合エネルギーの商用化に必須となる超高温・高密度プラズマの長時間運転技術(300秒、3億度)の確保に向けた実験を行うことになる。核融合センターの権勉博士は「2016年まで実現できるよう実験を継続する」と述べた。

 韓国、米国、日本、ロシア、EU(欧州連合)など7カ国・地域が建設を推進中の国際核融合実験炉は、KSTAR方式を採択、今回の実験成功は国際的にも大きな関心を集めている。韓国の研究装置は、実験設備としては世界6番目だが、世界で初めて絶対温度零下269度を保つ超伝導磁石を使って開発した最先端核融合研究装置だ。