李明博大統領は、北海道洞爺湖で9日開かれた先進8カ国と韓中印など新興8カ国が参加する主要排出国会議で、「気候変動とエネルギー分野においてだけは韓国がアーリームーバー(早く動く者)になるのに躊躇しない」と語り、温室効果ガス削減をめぐり対立がある先進国と途上国間の懸け橋の役割を果たす考えを強調した。
主要排出国会議参加16カ国の温室効果ガス排出量は全世界の80%を占める。今回の会議では、日米独などG8側が「2050年まで排出半減」の世界共有化をめざすとしたサミット首脳宣言への合意を新興国側に求めた。韓国、インドネシア、オーストラリアはこれに賛成したが、中国など他の5カ国は「これまで蓄積された温室効果ガスの責任は先進国側にある」と反論。結局、主要排出国会議の首脳宣言は「排出量削減の世界全体の長期目標を含むビジョンの共有を支持する」と認識は共有したが、数値目標を掲げることはできなかった。そんな中、韓国は双方の懸け橋的な役割を買って出た。
李大統領は、同会議で「私はアーリーバード(朝が早い鳥)と呼ばれ、補佐官たちは厳しいと不平を言っている」とジョークを飛ばし、今後アーリームーバーとして、まず「2020年までの温室効果ガス削減に関する国家中期目標を国民的合意を経て設定、来年中に発表する」と宣言した。
韓国は京都議定書の削減義務対象国ではないが、自ら進んで削減目標値を発表すると明らかにすることで、2013年からの新たな枠組みづくりに積極的に貢献することを強く印象づけた。
特に、途上国と先進国間の懸け橋となる2つの具体的提案した。ひとつは炭素クレジット制の導入。これは、途上国の自発的な削減実績に対して商業的インセンチブを与え、国際炭素市場で削減量を取引できるようにする制度だ。途上国の削減活動を奨励する一方、先進国の資本と技術の移転効果を狙ったものと説明された。
もうひとつは「東アジア気候パートナーシップ」の創設。中国など東アジア地域の国を対象にした一種の協議体だ。今後5年間に2億㌦の財源を捻出、低炭素化政策に関する協議と技術革新、財政支援、モデル事業への投資支援などを行う。
李大統領は、「韓国は気候変動への世界的挑戦に際し、途上国と先進国を連結する懸け橋の役割を忠実に果たす」と強調する一方で、「温室効果ガス削減のため最も必要な核心課題は、先進国の確固とした削減目標提示と途上国に対するインセンチブの導入だ」と強調した。
会議後、2時間におよんだ昼食会で、李大統領は特に「エネルギー節約技術の共有化と供給拡大のための産油国の増産及び新再生エネルギー開発が重要だ」と訴えた。新興8カ国なしには地球環境問題や世界経済は解決できないという機運が高まり、主要排出国会議を来年以降も継続することになった。G8の枠組みを超え、韓国など新興国の存在感が増したサミットだった。