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2008/05/16

<総合>韓総理が資源外交スタート

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    ウズベキスタンのタシケント郊外にあるアルマリック鉱山でミルジヨーエフ首相(右)と握手する韓昇洙国務総理

 韓昇洙・国務総理が11日、ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタンの中央アジア3カ国とアゼルバイジャンの4カ国歴訪に出発した。韓総理には関係官庁から外交通商部の権鐘洛・第一次官ら13人が公式随行。財界からは河東秀GSカルテックス会長、李雄烈コーロン会長ら64人の経済人が同行している。今回の歴訪では石油・ガス・ウランなど資源をめぐる各種契約が予定されており、新政府の資源外交がスタートを切ったことになる。

 歴訪日程は8泊10日で、ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンの順で訪問、20日に帰国する予定。

 歴訪各国で首脳会談を行う一方、企業家らと積極的に接触、経済関係を強化する。特に、油田・ガス田開発、鉱物資源の共同探査、ウラン長期導入などエネルギー外交を積極的に進める方針だ。また、建設・社会資本分野への進出、中央アジア居住32万人のコリアンとの提携なども推し進める。

 最初の訪問国ウズベキスタンで韓昇洙首相はミルジヨーエフ首相と会談し、2010年から16年までウズベキスタンで生産されるウラン2600㌧(推定金額4億㌦)を確保する成果を上げた。会談後に韓国水力原子力とウズベキスタンのナボイ鉱業公社が、韓国へのウラン長期導入契約を締結した。このウラン確保量は韓国内の年間所要量4000㌧の9%に相当する。今回の契約でウランの輸入先は、豪州、カナダ、カザフスタン、米国、フランスの5カ国から6カ国に増えた。

 また、韓国石油公社とウズベキスタン国営の石油・ガス会社ウズベクネフテガスは、ナマンガン・チュスト油田鉱区に対する基本合意書とウズンクイ・ガス田の共同探査契約を締結した。50対50の共同出資で共同探査に取り組む。

 ナマンガン油田の推定埋蔵量は4億3500万バレル、チュスト油田は3億8000万バレルに達する。ウズンクイ・ガス田は1億9000万㌧と推定される。韓国はまた、ウズベキスタン最大の生産油田地域アムダリヤ内の鉱区について半年の独占権で探査評価を実施したうえで、探査契約を結ぶことにした。全量を輸入に頼る希少金属のモリブデンと重石鉱区の共同探査にも乗り出す。

 両国は次いで、エネルギー分野の共同研究、部品・素材の共同研究・開発、国際標準化分野の協力、タシケント市内への韓国企業専用工業団地の設置支援、タシケント都心再開発協力、ナボイ空港の近代化協力事業などで了解覚書を結んだ。

 両首相はこの日の会談で、06年3月のカリモフ大統領の訪韓を機に両国が戦略的パートナー関係を樹立してから、両国関係は未来志向的に発展していると評価した。教育・投資の増進、エネルギー・資源分野への韓国企業の進出拡大、製造業分野の協力などを推進することでも合意した。

 続く訪問国カザフスタンでは、13日にマシモフ首相と会談。同国の郵便インフラと情報システム構築事業に韓国のSKX&Cが選定された。また、韓国電力とサムスン物産は、バルハシュ火力発電所建設事業受注のため、カザフの国営電力会社とコンソーシアムを組むことに合意した。同発電所は45億㌦規模の事業で、発電所受注としては最大規模だ。さらに、韓国水力電子力は同国の国営鉱物会社とウラン3410㌧を導入する契約を結んだ。